12月のアノマリーから年末相場を読み解く 前編

2020年12月5日 20:10

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 コロナウイルスは依然として全世界で猛威を振るっているが、アメリカ大統領選挙という大きなイベントを経て、大規模な財政政策やワクチン開発などの期待を背景に、世界は依然リスクオン相場の様相を呈している。明らかなバブル相場といえよう。

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 相場の経験則ともいえるアノマリーを根拠とすれば、年末の「サンタクロースラリー」で12月下旬はリスクオンとなりやすい。「サンタクロースラリー」とは、投資家がクリスマス休暇に入ると相場の売り圧力が弱まり、結果として株高になるという現象を指している。

 もっとも12月に入ると、年末にかけて投資家が税金対策のために保有している株価を処分売りしやすく、一時的に相場がリスクオフになることが多いため、上げ余地を残している状態のまま年末を迎えることが「サンタクロースラリー」を引き起こす原因ともいえよう。

 実際に過去の相場がどうなっていたか確認すると、12月24日の日経平均株価と大納会(年内最終取引日)の株価とを比較した際の騰落率については、1971年から2019年までの49年間で39回は上昇となっており、その値はまちまちといえども、勝率は約80%を誇る。

 しかしながら、2016年から2019年までの4年間の日経平均株価については、全ての年において同期間で下落となっており、鉄壁だったはずの「サンタクロースラリー」神話は、脆くも崩れようとしている。その中でも、記憶に新しいのが2018年の暴落である「クリスマスショック」だ。

 「クリスマスショック」とは、2018年12月24日のクリスマスイブに起きた、トランプ大統領のツイートをきっかけとする株価の下落のことである。当日、アメリカダウ平均株価は600ドルほど値下がりしたが、翌25日の日経平均株価もダウの下落に連れ立ち、約1000円もの暴落に至る結果となったのだ。

 実際のところ、トランプ大統領のツイートよりも、クリスマス前後のムニューシン財務長官の動きが株価下落に拍車をかけたことは間違いない。12月に入ってからの株価下落拡大を受けて、金融市場との対話を演出するために行われた大手銀行トップとの電話協議や、市場の急落を阻止する目的で作られた「プランジ・プロテクション・チーム」との会議があまりにも唐突だったのである。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る

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