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トランプ大統領再選の可能性考察と反比例する株式市場の過熱 後編
次々と訴訟が退けられトランプ大統領が劣勢となる中、弁護士を務める元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏は19日に記者会見を行っている。会見では追加提訴の予定を明かしたが、その内容に対する証拠があるとしたものの、具体的に示すことは無かった。もし、確実な証拠が無ければこれまでの訴えと同様、主張が認められる可能性は低いだろう。
【前回は】トランプ大統領再選の可能性考察と反比例する株式市場の過熱 前編
このまま12月14日の選挙人投票が行われれば、間違いなくバイデン氏が選挙人の過半数を取得することになるため、トランプ大統領は訴訟というこれまでの戦略について、すでに見直しを行っている。
次の一手として行っているのが、州議会の共和党議員に選挙への介入を強く促し、州議会において選挙人を指名させるような働きかけだ。投票の結果を覆すような取り組みに、どこまで共和党議員が賛同するかは未知数であるが、これも一筋縄ではいかないだろう。
さて、このようなトランプ大統領の必死の抵抗に共鳴する選挙人がいた場合にはどうなるだろうか。選挙人は州の投票結果をもって、全員が一方の候補者に投票することになるが、造反もありえる。実際に、2016年の大統領選挙では複数名の造反があった。
しかし、今回の選挙に先立つ7月6日に、造反した選挙人に罰金や交代を求めた州の決定を合憲とする判断が最高裁で示されていることから、前回以上に造反のハードルは高い。このままバイデン氏が勝利する可能性は非常に高くなっているといえるだろう。
トランプ大統領の勝利が遠のけば、バイデン氏によるコロナウイルスに対する大規模財政政策が進むという期待が高まる。トランプ大統領の勝利と株式市場はもはや反比例の状態だ。このような大統領選挙の情勢にコロナウイルスのワクチン期待が重なり、NYダウは史上最高値を塗り替え、30,000ドルに近づいた。日経平均株価もアベノミクス後の高値を塗り替え、26,000円を超えている。
あきらかにリスクオンとなっている市場を裏付けるように、仮想通貨もビットコインが今年の最安値の約4倍である約2,000,000円に値を上げている。すでに暴騰した頃の値に近づいていることから、活況な市場の余剰資金が流入しているといえるだろう。
しかし、コロナウイルスに対する財政政策の期待と、コロナウイルス終息の期待を除けば、株価が順調に上昇していく材料はもはや皆無である。今後は過熱する市場から飛び降りるタイミングを計らうべきではないだろうか。今後の株式市場の動向には十分に注意されたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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