トヨタが広州汽車にHVユニット供給 (2) 今は「トヨタ式HVシステム」が最適

2020年10月23日 07:36

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トヨタのパワーユニット。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

トヨタのパワーユニット。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 EVでは、必ずしもCO2排出規制に直結しないことは最近知られてきたが、それと同時にエンジン車の部品点数3万点余りから半減する問題が言われている。そのため、EVなら他業種から容易に参入できるとの観測があったわけだが、実際にはそれほど簡単ではないようだ。安全ボディ、軽量化、コスト削減、品質の確保など、やはり自動車メーカーとしての技術が必要のようだ。

【前回は】トヨタが広州汽車にHVユニット供給 (1) 特許公開でも中国企業では生産不能?

 さらに欧州では、EVによる部品点数の削減がなされると、失業の問題が出てくることが現実となってきた。現状では、AIの開発が進んで社会全般でデジタル化が進むと、銀行員の数が激減することが知られている。「構造不況業種」並みにリストラが進んでいくことが確実視される。日本でも「デジタル政府」が本格的に進むと、行政全体で銀行と同じようにリストラ(合理化)が必要になってくるだろう。

 一方で、それにより「新産業が起きてくる」と楽観論が言われていたが、実際に銀行員のリストラが起きてみると、容易に転職が出来ないことも分かっている。まして行政のお役人が、民間で役に立つスキルが身についている人は少数であろう。総じて、事務職は大変苦しい立場に追いやられることが見えている。

 欧州は、ガソリンエンジン車からEVに置き換わっていくと失業問題が起きてくることが分かり、水素エンジンに移行しようと動き出した。これは電気分解などで造られた水素とCO2を化合させメタンガスを作り、炭素バランスを取ることが目標だ。

 これまでのガソリンスタンドを改装する費用も少なくて済むようで、現在のライフラインを活かせるメリットがある。これなら失業問題も最小で収まり、自動車産業の就業者も減らさずに済むようだ。そのグリーン水素生成には投資が必要で、どの様に資金を賄うかなど問題もあるが、日本のマツダ・ロータリーエンジンならすぐにでも対応できるようだ。

 中国も実質的にCO2排出を減らさないと地球温暖化が止まらず、経済の先行きも怪しくなってしまう。世界で「水素社会」に向かう可能性もあり、中国企業もエンジン技術を会得することは必要になるであろう。そこで、現在のところ「トヨタ式HVシステム」を中国企業が受け入れることで、中国としてもトヨタとしても希望が持てる動きではないだろうか。

 「トヨタの世界戦略」によって、日本に有利な産業構造が出来上がることを期待しよう。発電事情などを考慮すると、原子力発電が整備されてくるまで中国としても当面、CO2削減には「トヨタ・HVシステム」の普及が最適であり、中国と日本企業共々「スマートシティ」構想が固まってくる様子を見てみたい。やはり、「大変革時代」であることは変わりがない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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