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ネット通販伸長の裏に悪徳業者、消費者庁は対策を急げ
スマホの普及によりネット通販業界が増長。通販業界という括りでみると「通販の時代が実感される」といった認識が高まっている。独自の調査が売りの:業界動向サーチは2019年度の通販業界に関し、こう発信している。「市場規模は1兆4000億円(主要対象企業16社の売上高合計)。136業界中91位」-「前年度比伸び率6.6%。136業界中26位」。
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また日本通信販売協会によると、2019年度の通販売上高は約8.8兆円となり、直近10年の平均成長率は7.5%である。
確かに、通販が着実にその存在感を高めていることが読み取れる。
独立行政法人国民生活センター(消費者庁管轄、以下:国民生活センター)が9月17日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い増加した「ネット通販に関するトラブルの概要」をまとめて発表した。以下のような具合である。
●20年4-6月に寄せられた、ネット通販における相談件数は7万3230件。相談総数の31%を占めた。前年同期比2万件以上の増加。ちなみに国民生活センターには「消費者ホットライン(局番なし188)」が設営されており、商品やサービス等で困った時/相談先が分からない時の窓口になっている。
●相談が多かったのは「健康食品」「他の保健衛生用品」「紳士・夫人洋服」。とりわけ健康食品の相談件数が多く、前年同期比の2倍以上になった。相談内容としては「お試し0円」などと通常より低価格で購入できる広告や、複数回の購入が条件となっている定期購入に関するものが多かった。例えば後者では未成年者のトラブル相談が多く、初回は割安で購入したが「2回目からは.高額な請求を受け払えない」といったものだったという。
国民生活センターでは、「Webサイトやアプリなどに表示される広告を目にする機会が増え、広告をキッカケに商品トラブルが増加すると考えられる」と警鐘を鳴らしている。同時に発表された「相談全体に占めるインターネット通販の相談件数の割合」をみると、2月段階では24.5%だったものが26.1%(3月)/29.2%(4月)/32.7%(5月)/31.3%(7月)といった推移。
「緊急事態宣言発令(4月)を契機に右肩上がりを強め、解除(5月)で横這い傾向に転じた」と読み取れる。いわゆる巣籠り状態の中でネット通販の活用が増えたことを示している。
果たして今後はどんな展開となるのか。国民生活センターでは「消費者へのアドバイス」を発信した。
★通販にはクーリング・オフ制度がない。返品・解約の条件や販売業者の連絡先を、事前に確認。
★「お試し0円・2度目以降高額」対応とし、注文前に「定期購入」契約になっていないかを確認。
★「不安」「怪しい」と思ったら消費生活センター等へ相談。
(ネット)通販は、働き方改革⇔生活の多様化を支える役割を果たす。消費者庁は悪徳業者にレッドカードを突き付ける手立てを講じる時期に来ているのではないか。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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