DCM、顧客視点の流通改革で「生活快適化総合企業」目指す 島忠買収で業界に動きも

2020年10月13日 07:41

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 DCMホールディングス(DCM)は10月2日、島忠との経営統合に合意、株式の公開買付により島忠を完全子会社化すると発表した。

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 新型コロナウイルスの影響でホームセンターの需要は当面伸びてはいるが、競争が厳しくなっており、島忠の子会社化による規模拡大により商品力を強化する。さらに地方中心のDCMと都市部中心の島忠の補完効果も期待できる。

 DCMは、2002年にカーマとダイキが業務提携したことに始まる。2003年カーマ、ダイキ、ホーマックなどで共同仕入会社「DCM Japan」を設立し、2005年3社で経営統合を発表、2010年に現在の商号へ変更した。

 2020年2月期の売上高は4,300億円。商品部門別の構成比は、日用消耗品や食品などのハウスキーピング部門が21.4%、作業用品や金物などのホームインプルーブメントが20.4%、カー用品やペット用品などのホームレジャー・ペット部門が14.8%、園芸部門が13.7%。以下、家電や住宅設備などのホームエレクトロニクスが10.5%、テナント植物やサービス料などその他部門が7.7%、インテリアや寝具などホームファニシング部門が5.9%、商品供給高が2.6%を占めているDCMの動きを見ていこう。

■前期(2020年2月期)実績と今期見通し
 前期売上高は4,300億円(前年比2.0%減)、営業利益は前年よりも2億円減の208億円(同0.9%減)であった

 営業利益減少の要因としては、売上高減により35億円の減益となった。一方、チラシ効率化による広告費減、業務効率化による人件費減などによる販管費削減24億円、自社ブランド商品構成比率アップによる売上総利益率の改善により4億円、商品供給増により2億円、その他で3億円の増益があった。

 今期第2四半期累計(3-8月)実績が、コロナ関連の需要増により売上高2,495億円(前年同期比11.3%増)、営業利益223億円(同75.9%増)と好調な中、今期は売上高4,550億円(前年比5.8%増)、営業利益301億円(同44.5%増)を見込んでいる。

■中長期経営計画(2021年2月期~2023年2月期)による推進戦略
 「お客さま視点からの流通改革」により「くらしの夢をカタチに」して、2023年2月期に売上高4,330億円(前期比0.7%増)、営業利益250億円(同20.0%増)を目指して次の戦略を推進する(なお、中長期計画は島忠買収発表前の2020年4月10日に発表している)。

 1.地域ニーズに合わせた店舗づくりによりくらしの利便性向上。

 2.DIY文化の醸成と工具、金物の専門店「プロショップホダカ」の積極展開。

 3.EC事業の強化とデジタル技術による業務効率化などデジタル社会への対応。

 4.購買データによるDCMブランド商品の開発と、入荷後すぐ配送する海外クロスドッキングセンターの稼働による商品・物流改革。

 5.販売力に応じた売り場面積の適正化、新品種・新業態導入、テナント誘致による既存店改革。

 6.定型業務の自動化、ホームセンター運営事業の統合により業務の効率化、店舗の発注、検品、伝票入力の自動化による店舗業務の効率化によるコスト改革。

 ここ数年売上高がほぼ横ばいが続くホームセンター業界だが、家具とホームセンターの融合により都市部中心に展開する島忠(2020年8月期売上高1,467億円、営業利益96億円、60店舗)と、地方中心で677店舗のDCMによる経営統合により、今後さらなる動きがあるか、注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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