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ポイント目当てのGo Toイート、農水相が「遺憾」 少額利用抑制へ
野上浩太郎農林水産相は9日の記者会見で、飲食業者への支援事業として政府が実施している「Go Toイート」キャンペーンについて、ポイントを取得する目的での利用が相次ぎ飲食店に混乱が生じたことは「誠に遺憾」と述べた。農林水産省はすでに8日、少額の利用をキャンペーンの対象から外す対応を取るよう求めている。新型コロナウイルス感染症の拡大により落ち込んだ需要を喚起するために政府が進める「Go To」キャンペーンだが、「Go To トラベル」に続いて「Go To イート」も幕開けから混乱が生じている。
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「Go To イート」は、感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発令や自粛により売上高が減少している飲食業者への支援策として、10月1日より開始された。購入額の25%分の上乗せが得られるプレミアム付食事券の発行と、オンライン飲食サイトを経由して飲食店に予約来店した際に受け取ることのできるポイント付与の2本柱となっている。
このうち、問題が生じたのは参加飲食店への予約来店で得られるポイントについて。1人あたり昼食利用の場合は500円分、夕食利用の場合は1,000円分のポイントが付与されるが、利用金額の制限はなく、少額の飲食であっても利用できる。この仕組みを利用して、実際の飲食額以上のポイントを稼ぐケースが相次いだ。
キャンペーン開始後、居酒屋チェーンの「鳥貴族」では1品のみを注文する予約客が増加。「鳥貴族」では主要メニューの価格設定が1品298円(税抜)となっていて、キャンペーンを利用することで支払額以上のポイントを得ることができる。これが「トリキの錬金術」と揶揄され、話題になった。
農林水産省は当初、この問題に対し、「意図しているものではないが制度設計上そのような使い方もあり得る」との見解を示すにとどめていた。その後、反響が大きくなったことを受け、少額飲食を対象外にする方針を示した。現在は、飲食金額が付与ポイント未満となる場合にキャンペーンの対象としないよう、飲食店側に要請している。ただ罰則はなく、今後も似たようなケースが続く可能性はある。
なお、話題となった「鳥貴族」は現在、席のみの予約をキャンペーンの対象から除外することを決定。店舗ごとに順次対応している。(記事:万嶋せら・記事一覧を見る)
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