【注目銘柄】サイネックスは年初来高値を更新、ふるさと納税関連の出遅れ株買いが再燃

2020年9月30日 10:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 サイネックス<2376>(東1)は、前日29日に91円高の935円と急反発して引け、東証第1部の値上がり率ランキングの第5位に躍り出るとともに、9月9日につけた年初来高値929円を更新した。10月1日に新規制基準によるふるさと納税制度が、2年目として1786自治体が参加してスタートすることから、同制度の情報提供サイト「わが町ふるさと納税」を展開する同社株に関連株買いが再燃した。同業のチェンジ<3962>(東1)が、28日のストップ安から前日に急反発し、同じくアイモバイル<6535>(東1)も続伸しており、両社株との比較感が働き、値ごろ的に低位にあるとして大きく出遅れが訂正されると期待されている。株価ヒストリカル的にも、同社株に2015年4月につけた上場来高値2619円の高値実績のあることが意識されている。

■今年9月に三鷹市から納税業務を一括受注しストップ高

 同社は、「地方創生プラットフォーム企業」を目指し幅広く事業展開しており、官民協働の行政情報誌『わが街事典』は、共同発行自治体が956、累計発行版数が1818に達している。また自治体向けのホームページ・アプリ開発も48自治体で実施し、住民の質問にAI(人工知能)により自動応答するAIチャットボットを提供するなど、菅新内閣の目玉政策の地方創生で恩恵を受ける事業形態となっている。

 「わが街ふるさと納税」では、寄付者からの申込代行の受付から決済システム提供、関係書類の作成・送付、特典商品の発送代行まで一括して受託しており、今年9月7日に三鷹市から同納税業務を一括受注しており、株価はストップ高した。

 一方、今2021年3月期業績は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して保守的にレンジで予想しており、売り上げ120億円~130億円(前期比13.5%減~6.5%減)、営業利益2億円~3億5000万円(同65.7%減~39.2%減)、経常利益2億2000万円~3億7000万円(同64.7%減~40.6%減)、純利益1億円~2億円(同72.8%減~45.7%減)と減収減益転換を見込み、配当も、年間10円~12.5円(前期実績12.5円)と減配含みとしている。今年8月7日に発表した今期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)業績も、減収減益で着地しており、今年11月上旬に発表予定の今期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)でどの程度リカバリーするか要注目となる。

■同業のチェンジ、アイモバイルに出遅れ最高値の高値実績も意識

 株価は、今期1Q減収益業績が響いて620円と下値を探ったがふるさと納税制度を創設した菅義偉官房長官の首相就任にサポートされて700円台を回復し、三鷹市からのふるさと納税業務受託でストップ高を交えて年初来高値929円へ急伸し、足元では800円台央での中段固めを続けてきた。同業のチェンジは、株式分割の権利落ち後も1万2000円台まで買われ実質の上場来高値水準、アイモバイルも1300円台にあり、値ごろ的に3ケタ台の同社株の出遅れが目立つ。また同社株自身も、2015年4月にふるさと納税制度のワンストップ特例制度が創設されたときに上場来高値2619円まで買い進まれた高値実績がある。年初来高値を奪回したここから2018年1月以来の1000円台に乗せ、2017年3月高値1298円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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