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NASAとNOAA、太陽の新たな活動周期「25」で観測強化 影響も予測
太陽の活動が極大となった時(左・2014年4月)と極小になった時(右・2019年12月)の比較。2019年12月はソーラーサイクル25の始まりと考えられている。(c) NASA/SDO[写真拡大]
太陽の黒点活動の観測は1755年から始められており、1サイクルがおよそ11年周期であることが知られており、これはソーラーサイクル(太陽活動周期)と呼ばれている。1755年に観測された黒点活動のピークをソーラーサイクル1とすると、2020年はソーラーサイクル25が始まる年に当たる。つまり2020年は太陽活動の極小期にあたり、2025年ごろに活動のピークを迎えると考えられている。
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太陽活動が弱まれば、地球では気温の低下が起こり、飢饉の原因にもなる。現在の11年周期の規則正しい太陽活動が始まる前には、マウンダー極小期と呼ばれる太陽活動が約70年間にわたり弱まった時期があった。当時は世界中で飢饉や伝染病の流行によって多くの人命が失われている。また、その時期にアブラハム・ホン・ディウスによって描かれた凍結したテムズ川の風景は非常に有名である。
ソーラーサイクル25が健全な11年周期の太陽活動となるのか、それともマウンダー極小期の再来となるのかは、私たち地球人の命運を握ると言っても過言ではない。現に現在世界中で流行している新型コロナや、世界各地で起きている集中豪雨はマウンダー極小期のような時代到来の予兆と考えられなくもない。
NASAは9月15日、全米海洋大気管理局(NOAA)の専門家と共同で、新たな太陽活動ソーラーサイクル25に関するディスカッションの模様をライブ配信した。
これによれば、現在NASAとNOAAは、太陽活動の監視体制を強化。非常事態の発生をいち早く予測し、警告できるように努めているという。現時点では、新しい活動周期の兆候と思われる黒点活動が観測されているが、11年周期の始まりなのかどうかを特定するには、これから数カ月以上のデータを蓄積して分析してみないとはっきりした判断はできないとしている。
だが大方の見方は、ソーラーサイクル25はその前の周期であるソーラーサイクル24と同じ程度の、太陽活動のピークを示すだろうと予測している。そのため太陽活動が弱まった場合のリスクよりも、逆に太陽活動がピークとなり、黒点の数が極大となった際の電波障害やそれに伴う数々のインフラの大混乱、さらには宇宙飛行士が受ける宇宙放射線量の増大リスクを心配している。
現時点でソーラーサイクル25がピークを迎える2025年に、地球上で黒点数の増大による電波障害などの大きな混乱が起きる可能性は低いと考えられているが、油断はできないという。太陽活動の予測は宇宙天気予報として知られているが、これから2025年に向けて宇宙天気予報での情報提供を強化していくと研究者たちは述べている。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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