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半導体デバイス、コロナ禍で通信量増大し市場拡大 25年に43兆円市場に AIも追い風
富士キメラ総研が半導体デバイスの世界市場を調査。2020年の市場は26兆678億円、前年比14.4%増の見込み[写真拡大]
新型コロナウイルス感染症パンデミックに伴い世界中でロックダウンや外出規制がなされ、リモートワークやオンライン授業等の拡大でデータ通信量は増大している。特に動画通信サービス利用が急拡大しているようだが、こうしたデータ通信の増大を背景に半導体メモリへの需要拡大は新型コロナ特需とも呼べる状況になっている模様だ。
8日、市場調査業の富士キメラ総研が半導体デバイスの世界市場に関する調査の結果を公表している。レポートではコンピュータのメモリに用いられるDRAMやフラッシュメモリなどに用いられるNAND、TOFセンサーなどの半導体デバイス16品目が調査対象となっている。
2020年のこれら半導体デバイス16品目の市場規模は26兆678億円で前年と比べ14.4%の大幅な増加が見込まれている。新型コロナの影響による外出制限で世界的にリモートワークなどが推進され、これに伴い世界のデータ通信量が増加していることが背景のようだ。
品目別にみると、DRAMの市場規模が最も大きく、20年は8兆円の見込みで、前年比119.4%と大きな伸びとなっている。25年には対19年比194.0%の13兆円となる予測だ。次いでNANDの20年見込みが6兆8000億円、前年比134.9%の大幅な増加で、25年には対19年比3.1倍の15兆5000億円の予測となっている。TOFセンサーは20年に1055億円で、前年比106.4%増の見込み、25年には対19年比3.2倍の3143億円の予測だ。DRAMやNANDはデータセンターの投資が好調であることから持続的に拡大して行くものと見込まれている。
また、スマートフォンやスマートグラスなどに搭載されるモバイル機器用APは、5G通信のサービス開始に伴い5G対応スマートフォンの需要増加やスマートウォッチ、スマートグラスなどへの用途の広がりが期待されることから21年以降に市場は拡大傾向で推移すると見込まれる。
米中貿易摩擦や日韓貿易摩擦などによる半導体市場への悪影響という懸念材料はあるものの、それ以上にアフターコロナでのリモートワークの一般化、さらにAIの普及などにより今後さらに半導体デバイスの活用が進展すると見込まれる。こうした見込みを背景にレポートでは25年における半導体デバイス16品目の世界市場規模を19年と比べ88.9%の増加となる43兆470億円と予測している。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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