株主優待が廃止されたら次にやるべきこと 今後の対策は?

2020年9月14日 16:27

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 新型コロナウイルス感染症の影響で、これまであった株主優待が廃止される場合や、一部の制度変更で優待メリットが薄れる事象が発生している。

【株価にも影響】すかいらーく 急落、株主優待制度縮小への変更を嫌気

 そもそも株主優待は、企業側が株主へのサービスとして自主的に行っているものであり、上場企業だから優待制度を行わなければならないという決まりはない。あくまでも、企業がどうするか決定してよいという性質のものである。

 10日、すかいらーくホールディングスは、すかいらーくグループ各店で利用できる「株主優待カード」の額面について、大幅引き下げを発表した。廃止にこそならなかったものの、株主にとってはこれまでのようなメリットを感じなくなった、という声も多いようだ。公表されている引き下げの理由は、新型コロナの影響による不透明な経営状態であるという。

 同じく10日、キリン堂ホールティングスは、株主優待の廃止を発表した。MBO(マネジメント・バイアウト)成立後に上場廃止することを理由としている。

 このように、優待制度自体の規模縮小や廃止の理由はさまざまであるが、廃止または変更に関しては前触れもなくある日突然発表されることがほとんどである。

 ここで、まず私たち一般投資家がやるべきことは「今後のビジョン」について検討することである。

 例えば、株主優待制度が廃止になったとしても、配当金が自身の満足のいく率で推移するようであれば、そのまま株式を保有するという選択もできる。そもそも配当金がなく、優待だけを楽しみに株式を保有していた場合は、ひとまず現在の株価の変動などを見極め、然るべきタイミングで株を手放すという選択もあるかもしれない。

 野村インベスター・リレーションズの2019年5月の調査によると、上場企業のうち株主優待制度を実施しているのは37%程度であるという。実際、自動車大手トヨタでは、従前より株主優待制度を行っていない。また、車両割引なども行っていない。その分、どのようにして株主に還元しているかというと、配当金を年に2回還元することである。

 株主優待や配当金を目的として、長期保有で得られるメリットを前提に株式投資を始めた投資家では、今年に入ってから特に相次ぐ株主優待の廃止や変更にがっかりしている場合もあるだろう。

 優待が廃止や変更になった株式に関しては、先を見据えて検討することをおすすめする。

 今後、新規で株式購入する場合の対策としては、株主優待の内容や配当金の有無、わかる範囲での財務状況について精査するなどが挙げられる。

 とはいえ、一般投資家が把握できる材料には限度があるため、ここは初心に戻って「少額投資・分散投資」など、万が一のリスクに備えて投資をすすめていくことがベターとも言える。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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