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中国語力を飛躍的にアップする、ノーベル賞作家・莫言の作品「白檀の刑」
読書は外国語習得には最も効果的な方法の1つだ。外国語を習得するには、できるだけ母語の習得に近い自然な形で、多読多聴などインプットの洪水を浴びる必要がある。
【こちらも】脳科学が太鼓判!「多読多聴」から始める外国語学習法
読書は文章全体の自然な流れの中で、構文、会話、単語を大量に脳にインプットしていくことが可能だ。そして、興味を持って夢中になって読みふけることができる作品であれば、なお効率よく外国語の習得が進む。そういった意味では、莫言の作品は中国語の多読に最適だ。
■莫言とは?
2012年10月、莫言は中国人として初めてノーベル文学賞を受賞した。中国人(籍)でノーベル文学賞を受賞したのは、今日に至るまで、莫言ただ一人だ。
莫言は1955年中国山東省高密市に農民の子として生まれたが、生まれて3年後には中国全土で大飢饉と大混乱を起こした「大躍進政策」の洗礼を受け、彼自身も飢えに苦しんだ。小学校5年生で文化大革命により小学校を中退、その後は牛の放牧をして過ごしたため、想像力が磨かれたという。
過酷な幼少期を過ごした莫言は、人間の残酷さ、愚かさ、欲や虚栄心などを見事にえぐり出す作風で、読者を惹きつける。
■《白檀の刑(檀香刑)》とは?
《红高粱》は 巩俐の主演で映画化されたこともあり、莫言の著書の中では最も有名な作品と言えるだろう。莫言はこれ以外にも数々の優れた作品を世に送り出している。
中でも《白檀の刑(檀香刑)》は、世界中のノーベル文学賞作家が執筆した作品の中で、最もセンセーショナルものに数えられるであろう。小説のタイトルが示すとおり、作品の中核をなすのは、清朝末期に罪人に対して執行されたさまざまな処刑の場面である。
宮廷の権威を揺るがした罪人たちは、見せしめのために、苦痛を最大化した各種の残酷な方法で処刑されていく。その処刑シーンの描写がえぐいのだ。
日本にも「車裂き」や「鋸挽き(のこぎりびき)」といった残酷な処刑方法は存在したが、レベルが全く違う。中国5千年の歴史で培われた知恵と文化の精髄とも言える芸術的な処刑方法が、次から次へと描き出されていく。
■外国語習得における読書の効果
1.ワクワク効果で記憶力が高まる
退屈な暗記学習をしても、なかなか記憶できないのに、興味を持ってワクワクしながらインプットしたものは、容易に覚えられるし、忘れない。
なぜなら、興味を持つと海馬が盛んに活動し、シータ波という脳波が出るからだ。この状態だと記憶に深く関わるシナプスの伝導効率がアップし、簡単に記憶できるのだ。
また面白いうという感情が扁桃体を刺激するので、それが海馬の活動を高めて、記憶作業の効率も上がるのだ。
読書から外国語を習得するメリットとしては、他にも下記の点が挙げられる。
2.動詞が習得できる
3.文法(統括構文)が習得できる
4.語彙力がアップする
5.未知語推測訓練ができる
上記4つのメリットに関しては、次回詳しく説明したい。
外国語習得における多読の効果については、下記の記事でも紹介しているので、参考にしてほしい。記事の中で中国語著書を安く購入できる方法も紹介している。
【参考記事】中国語の語彙力を飛躍的に伸ばす方法 村上春樹や東野圭吾の中国語版を多読(記事:薄井由・記事一覧を見る)
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