GMO、インターネット事業の強化でコロナ危機に対応

2020年8月17日 17:38

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 GMOインターネットグループのGMOフィナンシャルゲートは8月11日、2020年9月期の業績予想を大幅に上方修正した。第3四半期累計(10-6月)の実績が好調に推移したため、前回発表予想の売上高32億1000万円、営業利益3億3500万円を、売上高36億円(前年比51.3%増)、営業利益4億5000万円(同98.8%増)へ修正した。クレジットカードなどの対面決済処理サービスを行うGMOフィナンシャルゲートは、7月15日に東証マザーズへ上場している。

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 GMOインターネットは1991年、熊谷正寿によって創業され、1995年にインターネットプロバイダとして日本で初めて店頭公開した。1999年には子会社まぐクリック(現GMOアドパートナーズ)をジャスダックへ、2005年には子会社GMOペイメントゲートウェイをマザーズへと、それぞれ上場。同年、商号を現在のGMOインターネットへ変更し、東証第1部へ指定変更となった。

 GMOインターネットは、「すべての人にインターネット」を合言葉に「日本を代表する総合インターネットグループ」を目指して、自社を含む上場企業10社を中心とする連結対象114社に成長。

 今上半期(2020年1-6月)の売上高は1,065億円。事業領域別の構成比は、ドメインやサーバーなどのインターネットインフラ事業が59.0%、インターネット広告・メディア事業が21.0%、インターネット金融事業が16.6%、暗号資産事業が2.1%、全社調整その他が1.3%を占めるGMOインターネットの動きを見ていこう。

■前期(2019年12月期)実績

 前期実績は、売上高が1,961億円(前年比5.9%増)、営業利益が前年よりも35億円増の253億円(同16.0%増)、11期連続の増収増益を達成した。

 営業利益増加の要因としては、決済やアクセス事業の増収効果によりインターネットインフラが26億円、前年に一時的な営業損失14億円を計上した暗号資産が黒字化し23億円、先行投資を目的にインターネット関連企業への投資、支援を行うインキュベーション事業で13億円の増益であった。

 一方、店頭FX取引が年初の相場急変により収益性が低下したインターネット金融が22億円、メディア事業の不振によりインターネット広告・メディアが2億円、全社調整その他が3億円の減益であった。

■今期(2020年12月期)見通しと推進戦略

 今期第2四半期累計(1-6月)実績は、売上高1,065億円(前年同期比10.9%増)、営業利益164億円(同49.9%増)と巣ごもり消費の拡大、テレワーク需要の拡大などでインフラ、金融がけん引して好調であった。

 今後も各事業が大きく市場環境の影響を受けることから、今期の通期見通しは現段階では非開示とし、次の戦略を推進する。

 1.インターネットインフラでは、ドメインの発行と販売をするドメインレジストリ・レジストラ、複数サーバーのネットワークを活用できるクラウド・ホスティングの強化。

 2.インターネット金融では、他事業との連携により6年連続世界首位のFX取引の強化。

 3.ネットインフラ・金融を中心に海外展開を強化し、グローバルインターネット企業を目指す。

 コロナ禍の中、インターネット事業の強化による12期連続増収増益を期待して見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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