新型コロナ関連の破たん374件に 7月は月間80件 東京商工リサーチ

2020年8月1日 19:11

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 東京商工リサーチは7月31日、中国武漢発・新型コロナウイルス感染症の影響で破たんした国内事業者数が、前週連休前より24件増え、累計で374件に達したと発表。7月単月での破たん件数は80件となり、103件だった6月より落ち着いた。

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 一方、新規感染者数が全国で急速に増える中、地域や業種を限定して営業時間の短縮を要請する方針が政府等から示され、飲食業などを中心に先行きは楽観視できない。17日に発表を控える4~6月期の国内GDPは、戦後最悪の落ち込みになるとの見通しで、感染拡大が早期に落ち着いた場合でも、個人消費や外需を中心に景気がコロナ前の水準に戻るには相当な時間を要すとの見方が強い。

 新型コロナ感染者数は、7月上旬頃から東京を中心に再び増加傾向が強まり、その後増加が全国に広がる中、7月5週目には、大阪、愛知、福岡など複数の府県で1日あたり3桁増となった。NHKの発表によれば、7月31日の全国感染者数は1,580名となり連日で過去最多を更新。感染が若い世代から高齢者へ拡大し重症者が増えた場合、医療体制が崩壊するリスクが懸念される。

 東京都の小池百合子知事は7月31日、状況がさらに悪化した場合に都独自で緊急事態宣言を発出する可能性あるとコメント。また、政府・新型コロナウイルス対策分科会は同日、感染拡大の状況に合わせた4段階の対応策を発表し、地域ごとの状況に応じてこれら対策を取るよう都道府県にアナウンスした。

 東京や大阪は2段階目の「漸増」にあり、飲食店の人数制限や夜間外出の自粛、指針を守らない飲食店への休業要請といった対策が求められる。飲食店や娯楽施設などでは、緊急事態宣言解除後に戻りつつあった客足が再び減りかねない。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間1日午後4時時点で1,759万人超、死者数は67万人を超えた。1日あたりの世界の新規感染者数は約26万人と、前週から3万人増加。アメリカ、ブラジル、インド、南アフリカでの感染者増が目立つ。

 国別の累計感染者数は、アメリカの456万人超を筆頭に、ブラジル266万人、インド169万、ロシア83万人、南アフリカ49万人、メキシコ42万人、ペルー40万人、チリ35万人、英国30万人が続く。

 感染症の発信源となった中国では、大連市や新疆ウイグル地区で新規感染者が連日発生しているものの、その他多くの地域では映画館など一部の業種を除き、コロナ以前の状態に戻っている。アメリカとの摩擦は、中国による香港国家安全法の施行で加速し、双方が領事館を閉鎖するなど、緊張感は強まる一方だ。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が7月31日17:00時点で374件に達したと発表。このうち310件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理で、そのうち8割以上が破産を占める状況は変わらない。

 地域別では東京都が圧倒的に多く、業種別では飲食業、アパレル関係(製造、小売)および宿泊業が引き続き目立つ。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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