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日本電産、20年4~6月期は減収増益 コスト削減策が功を奏す
■売上高は6.6%減、純利益は約6倍
日本電産(6594)は7月21日大引け後、21年3月期第1四半期累計(20年4月~6月・IFRS)の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.6%減の3,369億円とコロナ禍の影響を受けたものの、営業利益は同1.7%増の2,811億円と増益で着地。4半期純利益は同517.7%増の203億円と、前年同期の33億円から大幅な改善となった。
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営業利益率は前年同期より0.6ポイント改善の8.3%で、コロナ禍で苦しむ製造業が多い中、良好な業績を残した。進捗率は、売上高が22%、営業利益が22%、純利益が20%と通期予想からはやや後れを取っている模様。
■海外工場の操業停止あるもコスト改善の成果表れる
モーター業界トップの日本電産は、新型コロナウイルスの影響を受けている製造業の1社である。世界40カ国以上に拠点を有しており、コロナ禍では海外工場の操業停止を余儀なくされた。特にコロナ感染が広がっているアメリカ工場が操業停止となっていたため、自動車向け部品の売上は前年同期のほぼ半減となった。
一方で、営業利益面では売上減少にもかかわらず黒字を確保しており、収益性を確保できる経営体制となっていることがわかる。日本電産が掲げる中期戦略目標「Vision2020」では、連結売上高目標を2兆円とする他、連結営業利益率15%以上の目標を立てており、「利益ある高成長の飽くなき追求」に向けたコスト削減策を実行している。
コスト削減とはいっても、従業員のリストラといった身を切る戦略ではなく、自社内製化やサプライチェーンの見直し、その他従業員から上がってくるコスト削減案を積極的に取り組んだ。「営業利益の281億円の内、100億円は社員から上がってくる改善提案を含めた構造改革によって稼ぎ出したもの」と永守重信会長は決算発表で語っている。
■コロナ後の5つの大波に乗り、通期業績目標の達成に向かう
期初に立てた21年3月期の業績予想は、売上高が前期比2.3%減の1兆5,000億円、営業利益は同14.6%増の1,250億円、純利益は同70%増の1,000億円としており、減収増益の予想だ。期初の時点は、まだまだコロナの影響が計り知れず業績予想を発表しない企業が多くあった中、日本電産は構造改革によって増益基調は続くことを予想していた。
永守会長を筆頭とした全社の努力が結果的に増益基調を保っている要因であろう。決算発表では、今後の流れとして「コロナ後の新「5つの大波」」と題し、「5G&サーマルソリューションの波」、「脱炭素化の波」、「省人化の波」、「デジタルデータ爆発の波」、「省電力化とコロナ後の波」が来ることを予想している。いずれも日本電産が作るモーターを始めとした製品が使われることが予想されているため、引き続き成長が期待できそうな事業環境であろう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
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