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半世紀遅れ!? スバル、サプライヤーともジャスト・イン・タイム
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スバルは、3年前サプライヤーと生産ラインのジャスト・イン・タイムを目指すことを発表していた。2020年が目標とのことだったが、どの様になったのであろうか?ラインと主要サプライヤーとの同期に関しては、量産工場としては半世紀前より常識化していた。私も半世紀も前の若いころからジャスト・イン・タイムには苦しめられてきたのだが、生産工場としては「2020年が目標」と言うだけであきれる話だ。
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スバルは、これまでサプライヤーからはある程度まとめた数量の「ロット」で部品を受領し、ラインで必要に応じて使用していたようだ。これは「時代遅れ」も甚だしい状況で、これでは「品質保証」も問題を起こすレベルであったのはうなずける。現代の自動車産業としては「常識外れ」である。
スバルは年間100万台程度の生産規模であり、海外に生産拠点をいくつも持つような体制ではなかった。群馬県太田市の群馬製作所で主に生産している。「生順生産」を目指すとしているが、時代錯誤と言える。「生順生産」は、組み立てラインの車種情報をサプライヤーに告げて、必要な部品を同期して納める方式だ。これをある程度まとまった数量の「ロット」で納めるのではなく、ラインに流れる1台ごと車種に従い部品も1台分を納めるのが理想だ。
スバルはサプライヤーとの同期を2017年から始め、2020年目標に整備していくとしていた。だが例えば、井関農機は40年ほど前から要求していた。もちろんサプライヤーの立場からは苦情も多かったのだが、生産工程を工夫することでサプライヤーの工程ごとの中間在庫も減り、資金効率は大幅に向上する。
東日本大震災のとき、マツダの工場は部品供給が間に合わず、すぐに停止したと記憶している。これはかなり厳しくジャスト・イン・タイムをサプライヤーに要求していたのであろう。ラインに在庫を持たないために、サプライヤーからの供給が止まる危険も高い。高度な信頼関係が必要だが、この体制には下請け制度を持つ日本企業の方が有利である。
インダストリー4.0の実現に向け、例えば100を超えるオプションの組み合わせを許すと、1台分ずつのサプライヤーからの部品供給は難しいはずだ。サプライヤー側もメーカーのラインのリクエストに応えて1台分ずつ供給するとなると、手配はAIで出来るが、サプライヤー側で部品製造工程を組み替えることに対応できるのか疑わしい。日産自動車では出来ているのであろうか?
スバルは、シートやドアトリムの「しげる工業」、ボディ部品の「東亜工業」、排気系や燃料系部品の「坂本工業」の3社から適応する方針であるようだ。サプライヤーには製造技術、生産技術の指導をするそうだ。
2017年からと言えばトヨタとの関係を深めていたころで、トヨタのアドバイスがあったのかもしれない。サプライヤーを含めたジャスト・イン・タイムは当然に必要であり、半世紀遅れていることは早期に実現しなければならない。しかし、サプライヤーを含めての「工程のカイゼン」には時間がかかることが見えている。今年は2020年だ。スバルは実現できたのであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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