NYの視点:今週の注目:米5月小売り、パウエルFRB議長上下院半期に一度の証言、BOE、日銀、SNB

2020年6月15日 07:38

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記事提供元:フィスコ


*07:38JST NYの視点:今週の注目:米5月小売り、パウエルFRB議長上下院半期に一度の証言、BOE、日銀、SNB
シカゴの投機家、投資家の先週のポジションで円の買い持ちは前々週から減少し3月来で最小となった。一方でユーロの買い持ちは前々週から増加。2018年5月来で最高となった。市場がユーロ買い持ちに大きく傾斜したため、一段の上昇余地は限定的か。

今週は英国中銀、日銀、スイス国立銀行が金融政策を決定する。欧州中央銀行(ECB)や連邦準備制度理事会(FRB)と同様、ハト派姿勢を強調すると見られる。英国の4月国内総生産(GDP)は−20.4%と過去最悪の結果だったことから追加緩和に踏み切ることが予想されている。18日に実施される会合では、資産買い入れ枠を1000億ポンド拡大する見通しでポンド売り圧力となる。また、英国のジョンソン首相がEC委員長と、行き詰まり打開を目指し通商交渉を予定。離脱移行期間の延期をしない方針をEUに伝達済みで無秩序な離脱への警戒感は残る。欧州連合(EU)指導者は7500億ユーロ規模の救済策を協議する。

米国では感染第2波が懸念される一方で、経済活動の再開が続く。シカゴ・オプション取引所(CBOE)も15日から立ち合い取引所を再開。景気見通しにプラスに働く。5月の鉱工業生産や最新6月ニューヨーク連銀製造業景況指数で製造業活動が回復しているかどうかを確認。さらに、米国経済をけん引する消費動向を探るため5月小売売上高に注目。4カ月ぶりの回復が期待されている。米6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値も予想以上の回復となったが、依然回復ペースは遅くドルの上値も限られた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は16日に上院銀行委、17日に米下院金融サービス委員会で半期に一度の証言を予定している。議会に送付される金融政策報告の中では、今後の軌道の並外れた不確実性が強調されているほか、短期的に金融セクターにかなりの脆弱性があることが指摘されている。さらに、家計や企業の脆弱性が長引く可能性を警告。世界パンデミックに対処するため全手段活用していくことを公約するかなりハト派な内容となっておりドル売り圧力となる可能性がある。

■今週の主な注目イベント

●米国
15日:6月ニューヨーク連銀製造業景況指数、カプラン米ダラス連銀総裁が講演、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が金融政策に関して協議
16日:5月小売売上高、5月鉱工業生産・設備稼働率、6月NAHB住宅市場指数
FRBのパウエル議長は16日に上院銀行委で半年に一度の証言
17日:5月住宅着工件数・建設許可件数、パウエルFRB議長が米下院金融サービス委員会で証言、メスター・クリーブランド連銀総裁がウイルス対策に関し講演
18日:新規失業保険申請件数(18日)、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が講演
19日:ローゼングレン・ボストン連銀総裁が経済見通しに関して協議、クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長がストレステストに関して協議、パウエルFRB議長がイベント参加

●英国
15日:ジョンソン首相がEC委員長と通商交渉、行き詰まり打開目指す
18日:英国中銀金融政策委員会、資産買い入れ枠を1000億ポンド拡大する、ベイリー英中銀総裁会見

●欧州
18日:欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨公表、スイス国立銀行金融政策決定会合
19日:EU指導者、7500億ユーロの救済策を協議

●中国
15日:5月鉱工業生産、小売売上

●日本
日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁会見

●OPECプラス
18日:合同監視委会合、減産延長巡る決定急がず

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
シリア
イエメン《CS》

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