関連記事
新型コロナ関連の企業破綻は238件に、6月は100件超えか
東京商工リサーチと帝国データバンクが新型コロナウイルスを原因とした企業破綻や、上場企業の業績修正について発表し、企業破綻が相変わらず多い一方、業績の下方修正の発表件数は落ち着きつつあることが分かった。
【こちらも】ホテル業者にも、「転んでもただは起きない」気概が必要
■企業破綻はハイペースが続く
11日、東京商工リサーチが6月11日時点における「新型コロナウイルス」関連破綻状況について発表した。倒産が169件、弁護士一任・準備中が69件の計238件。6月は11日間で46件となり、このままのペースだと月間100件を超えて、これまで最も多かった4月の84件を超える可能性もある。
都道府県別で最も多いのは東京都の52件(倒産:44件、準備中:8件)。ついで大阪府が22件(同15件、7件)、北海道が17件(同14件、3件)、静岡県が13件、兵庫県が12件と続く。その一方で福井、和歌山、鳥取、高知、長崎の5県ではゼロ。ただし破綻件数の集計は負債額1,000万円以上の企業を対象としているため、それ未満の破綻が出ている可能性はある。
業種別で最も多いのは飲食業の36件。ついで宿泊業が35件、食品関連が31件、アパレル関連が28件、冠婚葬祭業が7件など、幅広い業種で破綻が起きている。また従業員数が判明した226件のうち、従業員10人未満の企業が117件と51.7%で過半を占めている。
■上方修正の企業も29社あり
同日、上場企業「新型コロナウイルス影響」調査も発表している。10日までに新型コロナウイルスの影響などに関して情報開示を行った上場企業は3,364社。このうち、業績の下方修正を発表したのは839社、さらに赤字を発表したのは839社中224社あった。下方修正分の売上高は6兆773億円、利益は3兆9,503億円。その一方で業績の上方修正を発表した企業も29社あった。
また2020年3月期決算で決算短信を発表した上場企業2,341社の収益内訳も発表している。最も多かったのは減収減益の878社、ついで増収増益が690社。増収企業は1,189社、減収企業は1,377社とやや減収が多かった程度ながら、増益企業は964社、減益企業は1377社となり、収益段階では一層企業数の差が悪い方向に広がっている。
■下方修正の発表は減少傾向
同日、帝国データバンクが6月10日時点の「新型コロナウイルスの影響による上場企業の業績修正動向調査」を発表した。10日までに新型コロナウイルスの影響で業績を下方修正した上場企業は756社。下方修正分の売上高合計は約5兆1,932億2,400万円。6月の10日間で34社から発表があり、5月中の累計369社と比較してややペースが落ち着いた様子もある。
34社中、業種別で最も多かったのは製造業の8社で、累計でも245社と最も多い。ついでサービス業とその他(持ち株会社含む)が各7社。累計でもサービス業が145社、その他が141社と拮抗している。次に卸売業が4社(累計:92社)、小売業が3社(同85社)、建設業が3社(同6社)、不動産業が2社(同16社)、運輸・通信業が0社(同26社)となっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
スポンサードリンク