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ホテル業者にも、「転んでもただは起きない」気概が必要
スマートチェックインサービス「maneKEY」のイメージ。(画像: 電緑の発表資料より)[写真拡大]
東京商工リサーチによると、6月8日時点の新型コロナウイルス関連で経営破綻した企業は全国で227件。業種別でみると旅館・ホテルの宿泊業が40件と最多だという。確かに私が知る限りでもファーストキャビン(首都圏・京都でカプセルホテルを展開)が4月24日付けで東京地裁に、WBFホテル&リゾート(ホテルだけで30棟近くを展開)が27日付けで大阪地裁にそれぞれ「破産」「民事再生法」を申請した。
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宿泊事業分野の事業継承支援で強みを持つトランビが運営するM&Aの仲介サイトにはいま、全国の宿泊業者からの「買い手」を募る情報が日々増加している。
コロナウイルス禍に一巡感が出れば経済活動も再開され、出張組などの宿泊者が徐々に増えてくる。コロナウイルス感染問題に終息感が出てくれば、来年予定のオリンピック需要も含め激減しているインバウンダーが回復してくる。
そうした見方を支えに「耐え忍ぶ」とする業者もいる。経済再活動の急速な再開は、「ウイルス禍」の第2波・3波を起こしかねない。またIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が「来年も延期なら東京五輪は中止」と発言したとも伝えられている。言い換えれば「終息」には不透明感が払拭しきれない、という事だろう。
ゆえに、と言うべきかむしろここにきてボルテージが上がっているのが「宿泊業の凋落は、再編の好機」とする声である。例えばアパホテルの展開で知られるアパグループの元谷外志雄氏は、「M&Aによる出店拡大のチャンス」と言い切っている。
こうしたホテル業界の中で、先を見据えた興味深い展開も見受けられている。一口で言えば、コロナ禍の教訓を生かした「非対面・非接触型ホテル」の創出である。
ブロックチェーン分野での連携を視野に関係を強めてきた、電緑(東京)とINDETAIL(札幌)が5月11日に、共同開発の宿泊施設向け多言語対応スマートチェックインサービス「maneKEY(マネキー)」を発表した。
★Webで宿泊予約できる。
★タブレット端末でAIを駆使した顔認証技術による本人確認と、人手に頼っていたカウンター業務をIoTが担う。非対面・非接触のチェックインが可能。
★キーボックスの暗証番号の表示でカギの受け渡しが無人化できる。
★英語・中国語を含む多言語対応が可能。
なにも初めてのサービスシステムではない。だが従来のシステムの問題点は100-200万円の初期投資を含め、高額コスト(利用者負担も大)。対して今回のシステムは従量課金制を導入。チェックイン件数が増えるごとに1件当たりの価格が割安になるのがセールスポイント。
成功するか否かは、時間の経過を待たなくてはならない。言うは易いが行うは難しい。が、コロナウイルス禍に転んでも「ただは起きない」ことが肝要であろう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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