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ホテル業界に、星野リゾートの一筋の光明を期待したい
星野リゾートによるフロントでの飛沫感染対策のイメージ。(画像: 星野リゾートの発表資料より)[写真拡大]
台湾はコロナウイルス禍で迅速な対応をみせ、少ない感染者数で食い止めた点等から「優等生」といった称号すら与えられている。そんな台湾ではコロナウイルス禍に伴う「不況業種」の代表格とされる「ホテル業」でも、優等生ぶりが発揮されている。
「台湾政府(と、あえて記す)」の観光当局では、ホテルや旅館に対し「ビジネスOK」の認定証を供与している。かつ認定施設を一覧で(現在、約230施設)公開している。利用者は台湾の国民だが、「認定証」が供与されるためには「海外渡航歴や体調の確認」や「施設内の定期消毒・清掃状況」など複数の項目に関し観光当局の緻密な検査をパスしなくてはならない。
台北に日本から進出している温泉リゾートホテルに「星のやグーグファン」がある。日本のホテル業者:星野リゾートが展開している。「星のやグーグファン」は、4月「認定証」の付与がなされた。
報道によると例えば星のやグーグファンでは、「チェックインはフロントでの手続きを一時的に中止。客室での対応にシフトしている」「混雑回避のため入店時間を分散化している」といった策も講じているという。
結果、客室予約率は1月以降も90%を超え安定している。星野リゾートの星野佳路代表は、「日本ではいま感染拡大をみんなで封じ込めようと努力している段階だ。(グループの国内運営施設の)7カ所が休業中だが、9割の予約率を確保している“星のやグーグファン”と同様に、感染リスクがある3密を避けて宿泊客を迎える態勢づくりを強化したい」としている。
星野リゾートに関しては斯界のアナリストの間から、「顧客満足度(CS)に厳しい姿勢で臨んでいる」とする評価が高い。具体例として、こんな話を聞いた。
レゾートホテル、ましてや温泉ホテルとなると「マッサージ」がつきもの。同社は「CS調査」を行った。が「結果は満足いくものではなかった」(アナリスト)。そこで「国家資格を有する専門業者と提携したい」とパートナー探しをした。
マッサージ師の国家資格は、1947年に施行された「あん摩マッサージ指圧師、鍼灸治療師等に関する法律」に求められる。ちなみに国家資格者は「医師の同意」を前提に、「筋麻痺」「関節拘縮」の治療を健康保険適用で施術できる。
星野リゾートの調べで唯1社浮上してきたのが「国家資格者の施術を生業とする」フレアスという上場企業。今3月期中間期時点で約450名を擁している。提携が成立した。
そんなCSに軸足を置く星野リゾートが、3密を避けて宿泊客を迎えるために注力したいという。また5月29日には「機関投資家等から出資を募り、今夏までに100-200億円規模の『ホテル旅館ファンド(仮称)』を設立する。コロナ禍で経営危機に直面したホテルや旅館の事業継続を支援する」と発表した。厳しいホテル業界に一筋の光明をさしてくれることを期待したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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