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原油価格が反落 先物取引の仕組みと原油の値動きの仕組み
原油先物価格が不安定だ。5月22日、東京商品取引所の原油先物価格が、前日比マイナス6.5%と大幅下落した。同日のニューヨーク・マーカンタイル取引所でも、7日ぶりに反落している。下げ幅は大きくないものの、価格は安定しない。
中国は、5月22日に開幕した全国人民代表大会で、2020年の経済成長率目標の公表を見送った。中国経済の先行き不透明感から、原油需要の回復が遅れると見た投資家が買い控えした。
そもそも原油といえば、4月20日にニューヨーク商業取引所で、史上初めてマイナス価格を記録した。原油価格は、どのように値動きするのだろうか?先物の仕組みをもとに、価格変動について解説する。
■先物取引とは?仕組みを解説
先物取引とは、ある商品について、将来の決められた日に、取引時点で決めた価格、数量で売買することを約束する取引のことだ。例えば商品Aを5つ、1カ月後に1000円で購入すると約束したなら、商品Aがいくら値上がりしていても、約束した内容で購入できる。
先物取引はその性質上、限月という取引の期限が定められている。限月までに、取引の決済をしなければならない。
取引の契約をした以上、期日までに決済して取引を完了しなくてはならない。ただし、決済を免れる方法もある。反対売買という方法だ。反対売買とは、取引最終日までに、買いなら転売、売りなら買い戻すことで、先物契約を解消することだ。
■新型コロナ感染拡大で原油需要が激減
原油価格は、需給バランスによって動く。世界的な新型コロナウイルス感染拡大によって、欧米を中心に都市封鎖を実施した。そのため、人・モノの移動が極端に減少し、車や飛行機などが使われなくなった。原油の需要が激減したのだ。
■原油は現物受け取りがルール
需要が激減したため、原油の貯蔵量が一気に増え、一時は、アメリカの貯蔵施設の収容能力が限界を迎えてしまっていた。
原油は先物取引のルール上、現物受け取りをしなければならない。アメリカは原油をこれ以上購入できず、先物取引で契約していた取引を解約するしかない。つまり、反対売買だ。
なんとしてでも売り切らなければならなくなったアメリカは、マイナス価格になっても売りに出した。マイナス価格とは、売る側がお金を払って、買い手に買ってもらうことを指す。
■原油価格変動は需給バランスと取引方法で変わる
原油が動くのは需給バランスと取引方法が原因だ。この原則は、原油以外にも当てはまる。商品の価格変動は、世界中の出来事を考察する大きな手がかりとなる。
新型コロナウイルス感染拡大は、世界にどのような影響をもたらすのか?今後、起こり売る出来事によって、暮らしにどのような影響があるのか?その影響を顕著に受ける商品の値動きには、注視したい。(記事:たけお・記事一覧を見る)
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