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仮想通貨が株式市場を予測する? ビットコインとダウ平均株価の相関関係
投資先を考える際に重要なのは、ズバリ「どこに投資家の資金が集まっているか」である。資金が集まっているところに投資をすれば、自ずと価格は上がっていく。株式なのか商品なのか、新興国なのか先進国なのか、よりマクロな目線で投資先を考えてみると、資金の全体量は一定であり、それがイナゴの移動のように旨味のある投資先に集まっているだけだと分かる。
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市場で「有事の金」といえば、円高ドル安、株安となった際のリスクヘッジ先として投資家の資金が集まる場所であるが、新たな投資先として俄然注目を集めているのが仮想通貨である。
では、仮想通貨と株価がどのような相関関係となっているのであろうか。リスクヘッジ先といえるのであろうか。代表的な仮想通貨ビットコインについて、アメリカのダウ平均株価の値動きと比較してみたい。
まず、記憶に新しいのが、2017年12月17日につけたビットコインの史上最高値約2,230,000円であった。このころのダウ平均株価といえば、株価の最初のピークともいえる24,000ドルを突破していた時期である。トランプ大統領誕生時の18,000ドル以降ずっと右肩上がりで上がり続けた株価に追従するかのように、ビットコインが値を上げ突き抜けていったのだ。
史上最高値をつけたビットコインはその後、急激に売りたたかれ、2018年2月のVIXショックによるダウ平均株価暴落の1カ月前には、先行して1,000,000円の大台をも割り込む状況であった。
その後、ビットコインは800,000ドル前後で価格が安定していたが、2018年10月に米中貿易戦争を起因とする株価暴落に連れ立って、400,000ドルまで値段を下げることになる。そして、今回のコロナショックにおいても、ダウ平均株価の暴落に連れ立ち、1,100,000円から500,000円まで値を落としたのである。
このようにみていくと、仮想通貨は株式市場のリスクヘッジ先というよりは、余剰資金が投入されているということが分かる。そして、株価の暴落時には同じく、もしくはそれに先立って売られていくのである。つまりは、仮想通貨は株式市場に対して、一定の予測指標にもなりうるということが、いえるのではなかろうか。
2020年5月8日現在、ダウ平均株価は24,000ドルを回復しているが、ビットコインも追従して1,000,000円の大台突破している。今後の両者の値動きに注目されたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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