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中国・三一重工、キャタピラーとコマツに「アフターコロナ」で挑む(2/4) 量産数の違い
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■量産数の違い
自動車の世界生産台数は1億台弱が最高だが、建設車両は分類にもよるが100万台弱と言ったところだ。桁が2つ違うので、生産方式が大きく違ってくる要素がある。詳しい説明は省くが、これは製造業では基本的なことであり、「量産技術」を語る時に量産数によりコストを考え、設備投資金額の償却を考慮して、生産方式が決まることとなる。
【前回は】中国・三一重工、キャタピラーとコマツに「アフターコロナ」で挑む(1/4) 中国の量産技術
かつて産業革命がイギリスで起き、「ロット生産」が始まり、アメリカで自動車産業が起きてくると「流れ作業」が始まった。これは、「フォード方式」と言われている。その後、マーケットの刺激策として定期的な「モデルチェンジ」を行うとしたのが「GM方式」だ。
それに対し、「資金効率」を最優先に「総資金量」を最小にするため、「ロット生産」を脱して「混流生産(多種少量生産)」を行い、在庫金額、設備投資金額、人件費などを最小にする生産方式を考えたのが、日本の「トヨタ方式」、すなわち「トヨタかんばん方式」である。(「かんばん」とは製作指示書で、トヨタ社内の暗号だった)
現在では、「屋台(セル)」「混流生産」「順序生産」などと呼ばれる生産方式も編み出され、それはやはり「資金効率」最優先である。「フォード方式(ロット生産)」と「トヨタ方式(多種少量生産)」とを比較してみると、トヨタ方式は「総資金量(設備投資、運転資金、在庫資金など)」を「1/数千」とすることが出来る。この考え方で組み立てると、物流の世界でも「1/数百」(提案型販売)に出来るものだ。トヨタ方式を取らない量産工場は、業種を問わず現在の世界では成り立たないと言える。
■部品調達の考え方
自動車産業において、エンジンはその企業のシンボルであるが、建設車両メーカーではエンジンを自社開発するメーカーは少ない。建機メーカーである中国・三一重工も、日本のいすゞ自動車製エンジンを使っているようだ。日本のコマツは基本的に自社開発している。
これは中国製造業のレベルが分かるところだが、排気ガス規制や燃費規制に適合させるエンジン技術というのはかなり高度なもので、なかなか世界レベルのエンジンを開発できないものだ。例えば、マツダ「SKYACTIV-X(スカイアクティブ エックス)」エンジンは信じられないほどの高精度のものであり、ソフトで制御しているのだが、その制御精度に応える機械部分を精密に製造できなければならない。
こうした機械式メカニズムと制御プログラムのコンビネーションは、ソフト開発とは別次元の精度を要求される。だから、中国は自動車ではEV移行奨励をして、このエンジン開発競争には参加しないことを決めているようだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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