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【アフターコロナは物差しが変わる】自動車20年3月期決算 開発費負担とコロナショック
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2020年3月期、自動車メーカー各社の決算見通しが出てきた。スバルを除いて減益である。「コロナショック」、つまり新型コロナウイルス感染拡大による影響はこれからと言った内容だ。3月の販売では20%減ぐらいに収まっているようだが、パンデミックが本格化してきた4月の実績は想像が出来ない。
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アメリカ市場では政府の援助が自動車メーカーに対しても手厚いようだが、日本では援助の可能性については「これから検討」というレベルで話にならない。自動車製造業績の現在の特徴としては、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」の方向で技術開発が競争激化しており、各社の研究開発費の負担が厳しくなっている。
そのため、日系企業ではトヨタ自動車を中心としたグループと、ルノー・日産・三菱のグループと、ホンダ・GMのグループに分かれて、研究開発費の分担を進めている。それでも、トヨタで1兆円を超える研究開発費の負担が数年続いており、このままではGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)による自動車部門への進出に対抗できないのではないかとの懸念もある。
これは、企業の自動車製造そのものの競争ではなく、制御ソフト開発での競争と、ユーザーとのインターフェースであるサービス部門での競争だ。サービス部門では、従来の「マイカーを所有する」との形態ではなく、シェアまたレンタル、或いは定額権利買い付け(サブスクリプション)など種々の利用形態や、「生活全体の中で占める移動手段の多様化」など大きく変化しようとしている。
また、「自動運転技術」が生活形態に及ぼす影響がどの様に出るのかなどについては、未来都市の実験をトヨタも始めるなどしており、自動車各社が置かれた環境の変化は「激動期」と言える状態だ。このシチュエーションにおいての「コロナショック」なのである。
こうなると、従来の産業界や経済界の「物差し」が有効であるのかもわからない。日本政府の産業支援体制は「はなはだ脆弱」である。いや、むしろ「ポリシーがない」と言える状態で、産業界の今後の見通しは「暗闇」であると表現すべきなのであろう。
今後は、「コロナショック」脱出の努力を最優先としながら、「アフターコロナ」を見通さねばならない。そこに一早く「コロナショックを脱出した」と宣言して、世界に医療支援を始めている中国を懸念するアメリカの動きなどが加わり、複雑さが留めなく襲ってくる現状だ。しかし、中国も例外ではなく、新型コロナウイルス感染拡大は、第2波、第3波と繰り返され数年に渡って続く可能性もある。そこまでも見通した世界情勢判断を我々が持つことが要求されている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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