エアカナダ、旅客型B777-300ERを貨物機に改修へ

2020年4月15日 13:43

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●旅客機を貨物機に一時的に転用

 エアカナダは、保有している大型機のB777-300ERを旅客型から貨物型機へ改修すると発表した。改修されるのは同社が保有している3機のB777-300ERで、これによって90トンの荷物を追加搭載することができる。既に1機の改修作業は完了しており、成田空港へも飛来をしている。今後の需要によっては、同社の保有している他のB777、B787も同様の改修をするとしている。

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●貨物機を持たない航空会社が需要に対応

 エアカナダは、トロントやバンクーバーを中心に運航する航空会社であるが、貨物専用機は保有していなかった。しかし、新型コロナウイルスの世界的な蔓延に端を発した航空需要の減退から、多くの国際線が運休、それに伴って余剰となった旅客機が駐機し続ける結果となった。

 一方で、旅客需要は減少しているものの航空貨物の需要が増大していることから、旅客型に改造を加えて貨物機として運航し、資産を活用する道を見つけた。

●旅客スペースを簡単な改造で貨物スペースに

 エアカナダでは、完全な貨物機に転用するのではなく、旅客スペースの座席を撤去することによって荷物を積み込むことができる空間を生み出した。このため、航空コンテナを搭載することはできないが、荷物の移動防止ネットを設置することで荷物を積み込むことが可能となった。

 貨物機(B777F)では、653立方メートルの荷物スペースがあるが、B777-300ERでは、貨物スペースの265立方メートルに加えて、旅客スペースの500立方メートル以上を使うことができるようになる。

●今後追従する航空会社も

 既に台湾のチャイナエアラインやアメリカのユナイテッド航空が、旅客便の貨物スペースを利用した貨物便を飛ばしているが、今回のエアカナダの改修工事を受けて、世界中の航空会社に波及する可能性がある。

 世界的にマスクが品薄になるなど軽量貨物に対する航空需要が高まっている。貨物部門を保有しない航空会社では、少しでも余剰となっている航空機を活用したいと考えているため、今後追従する航空会社が増加すると見込まれている。(記事:speedbird・記事一覧を見る

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