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シスメックス、コロナ検体検査などの強化で売上高3800億円を目指す
シスメックスは3月27日、同社が製造販売する新型コロナウイルス検査キット(PT-RC法)が、薬事承認を国内で初めて取得し、保険適用されると発表した。今後は指定感染症検査を実施することが可能な医療機関へ、対外診断用医薬品として早期導入を目指す。
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シスメックスは、1961年に東亜特殊電機(現TOA)が医用電子機器業界への進出を決め、研究室を設置したことに始まる。国内初の自動血球計数装置の開発に成功した後、1972年にTOAより医用電子機器開発製造部門を譲り受け、臨床検査機器専門メーカーとして新発足した。
1978年にメディカ株式会社となり、海外で多項目自動血球計数装置の「Sysmex」ブランドを確立し、1998年にシスメックス株式会社へと社名を変更した。
ヘマトロジー(血球計数検査)、免疫検査、血液凝固検査などの分野に加え、ライフサイエンス領域へと事業を拡大し、売上高の海外比率は85%となり、世界190カ国以上の人々の健康を支えているシスメックスの動きを見ていこう。
■前期(2019年3月期)実績と今期見通し
前期売上高は2,935億円(前年比4.1%増)、営業利益は前年よりも22億円増加の613億円(同3.7%増)であった。
営業利益増加の要因としては、売上増に伴う粗利の増加88億円、厚生年金基金の解散による費用抑制12億円、販管費の抑制5億円の増益要因に対し、中国のサービス委託費組替や前年特殊要因などで売上原価55億円増加、ライフサイエンス事業を中心とする研究開発費の増加28億円の減益要因による。
今期第3四半期累計(4-12月)売上高2,182億円(前年同期比4.7%増)、営業利益404億円(同5.0%減)の中、今期は売上高3,100億円(前年比5.6%増)、営業利益600億円(同2.1%減)を見込んでいる。
■中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)による推進戦略
2022年3月期の売上高3,800億円(対前期比29.5%増)、営業利益780億円(同27.2%増)を目指して、下記の戦略を推進する。
1. IVD(検体検査)事業の成長力強化(2019年売上2,831億円->2022年売上目標3,540億円)
・商品開発力を強化し、新製品の市場導入加速と試薬開発促進。
・血圧計数検査分野の先進国シェア拡大と新興国への進出強化。
2.ライフサイエンスの事業化スピード加速(2019年売上103億円->2022年売上目標260億円)
・遺伝子増幅検査機器のグローバル展開と染色体解析のFISH試薬の売上拡大。
・がんゲノム医療におけるプレゼンス強化。
3.事業を支える品質保証と薬事、臨床開発機能の早期化。
4.デジタル化によるグローバルビジネスプロセス改革。
ヘマトロジー(血球検数検査)でグローバルトップのシェアを確立し、血液、尿、細胞などの検体検査分野で事業を展開し、24時間365日サポート体制をとって、医療の発展と人々の健やかな暮らしに貢献するシスメックスの動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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