朝食を抜くだけで糖尿病の血管硬化に悪影響 順天堂大らの研究

2020年3月9日 19:32

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朝食の頻度と血管の硬化度の関係(写真:順天堂大学の発表資料より)

朝食の頻度と血管の硬化度の関係(写真:順天堂大学の発表資料より)[写真拡大]

 食事や運動など生活習慣と関連あると考えられている2型糖尿病。順天堂大学は5日、朝食を抜くだけで2型糖尿病における血管硬化に悪影響を及ぼすことを発見したと発表した。

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■全体の95%以上を占める2型糖尿病

 2型糖尿病は、糖尿病全体の95%以上を占める。糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞等の発症を増加させるため、その治療では血管の硬化を予防し、さらに硬化が進行しないようにすることが重要な課題だという。血糖のコントロールが悪いことや高血圧であること等が、血管が硬化する要因だと考えられている。その一方で、2型糖尿病患者における生活習慣と血管の硬化に与える影響は謎が多かった。

■朝食を抜く回数の多さが血管の硬化を高める

 順天堂大学、那珂記念クリニック、筑波大学の研究者から構成されるグループは、心筋梗塞や脳梗塞等の既往歴のない2型糖尿病患者に対し、質問紙を利用して生活習慣を調査した。研究開始時を含めた3つの時期で血管の硬さを測定することで、生活習慣と動脈硬化との関連性を解析。その結果、朝食を抜く回数が多い人は毎日朝食を摂る人に比べて、血管の硬さが5年にわたり高いことが判明した。

 朝食の回数が1週間に4回未満の患者は、生活が夜型、アルコール摂取量の多さ、外食の頻度が多い等の悪い生活習慣をもつことが、今回の調査で明らかになった。BMIの高さや善玉コレステロールの低下、尿酸値の高さなども確認されたという。研究グループはデータの解析をさらに進めた結果、朝食を抜くのが多い患者は、これらの因子とは独立に血管の硬化が続くことが判明した。

 研究グループによると、血管の硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞等を発症すると、患者の寿命が短くなり、経済的な負担も増加するという。今後は、これらの病気を引き起こす生活習慣を明らかにし、改善によって抑制されるかどうかを検証する予定だとしている。

 研究の詳細は、英医学誌BMJ open Diabetes Research and Careにて掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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