楽天が発表した携帯電話料金の価格破壊! (上) 料金プランは"激安"の1つだけ

2020年3月5日 16:43

印刷

(画像: 楽天モバイルの発表資料より)

(画像: 楽天モバイルの発表資料より)[写真拡大]

 4月8日にスタートする楽天の携帯電話サービスの料金プランが、3日に発表された。

【こちらも】楽天の送料無料化問題 公取委が緊急停止命令を申し立て

 先行する3大キャリアとの最大の違いは、料金プランが「Rakuten UN-LIMIT」の一つだけだということだろう。選択で悩む必要がないくらいに安いということだ。楽天の自社通信網を使用する限り、月額2980円でデータ通信量の上限を気にすることなく利用できる。但し、制約はある。楽天が自社の基地局網整備を進めている首都圏、中部、近畿での利用に限られるということだ。

 日々、日本列島の北端から南端へ駆けまわっているようなビジネスパーソンの利用に向かないことは間違いないが、そんなハードワーカーであれば毎月の利用料金に拘わることはないだろう。東京・名古屋・大阪に居住する大多数のユーザーには朗報だ。何よりも当該地域は日本経済を牽引する著名な企業が経営の基盤を広げ、多くのビジネスパーソンとその家族が生活を送っている日本経済の生命線とも言える地域だ。

 楽天は今回のプランを発表するにあたって、契約者300万名を対象に、端末代金や事務手数料、オプション料金、通話料を除く月額使用料2980円を、1年間無料とするキャンペーンを始めた。契約者数は締め切りのタイミングで「ちょうど」になることはないので、多少弾力的に捉えているようだ。特に先着順と表示されてはいないが、恣意的に対象者を選別することは無意味だと思われるので、実質先着順の扱いになるだろう。

 通話の際に楽天の「Rakuten Link」を経由すると、国内通話がかけ放題、SNSも使い放題で、66カ国に及ぶ海外から国内への音声通話も無料となる。

 Rakuten Linkを使用しない場合は、3大キャリアと同等の従量制で30秒当たり20円、契約電話番号でのSNS送受信には70文字当り3円が課金され、国際通話の場合は国や地域別の料金適用となって海外で着信応答はできない。

 「Rakuten Link」を経由してMNOサービスへアクティベーションをすると、事務手数料に相当する3,300円分の楽天ポイントが還元され、20年6月30日までの期間にオンラインでMNOサービスの申し込みを行うと、3000円分の楽天ポイントが付与されるキャンペーンも並行して実施される。実質的には事務手数料も無料と考えていいだろう。

 ユーザーが国内から海外や、海外から海外への音声通話を利用する場合には「国際通話かけ放題」という有料オプションが月額980円で提供される。

 特に国際通話を掛ける予定がなければ、一定の約束事をクリアすると実質的には楽天回線対応のスマホを用意するだけで、今回のキャンペーンに参加できる。しかも楽天から提供される自社回線対応端末は全てSIMロックフリーであり、最低利用期間の縛りや契約解除料も設定されていないため、購入した端末で他社に乗り換えるリスクもほとんどない。

 楽天が自社の基地局整備を進めている東京・名古屋・大阪以外の地域では、当面の間KDDIの通信設備を借用(ローミング)してサービスが提供される。このためKDDIの通信設備を借用する「パートナーエリア」では、月間に利用可能できるデータ容量は最大で2GBとなる。上限を超えた場合は毎秒128Kbpsに速度が制限されるが、1GB当り500円で追加することは可能である。

 楽天がKDDIに対して支払うローミング料金が1GB当り約500円と見られているので、ユーザーの利用超過により楽天に損得が発生することはなさそうだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事