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日本の管理職、約4割が本当はなりたくなかった 仕事が給与に見合わない
インバスケット研究所が管理職の実態と本音に関するアンケート調査を実施[写真拡大]
2014年に公表された労働政策研究・研修機構「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」によると課長以上への昇進について男性で約3~4割、女性で約7~9割が管理職を望んでいないという結果になっている。
働き方改革が進む中、昇進することで責任が重くなり仕事量の増加や家庭との両立への不安などさらに昇進への動機は低くなっているかも知れない。年功序列型賃金や終身雇用が危うい現代において管理職になったからといって安定は必ずしも望めず、様々なクラウドワーキングの普及により起業やフリーランスになることも容易となっており企業への依存度も低下していると推測できる。
インバスケット研究所が「管理職の実態と本音に関するアンケート調査」を昨年12月に実施、1月27日にその集計結果を公表した。
集計結果によれば、「管理職になりたいと考えていたか」という質問に対して、「なりたかった」と答えた者の割合は30.5%、「どちらかというと、なりたかった」32.0%、「どちらかというと、なりたくなかった」29.1%、「なりたくなかった」8.4%となっており、約4割にあたる37.5%が程度の差はあれ「なりたくなかった」と答えている。
「今後のキャリアプラン」については、「現状維持」が42.7%と断トツで多く、次いで「更なる昇進」が18.3%、「転職」16.9%、「独立・起業」が11.9%と続いている。
「管理職を経験して満足しているか」という質問に対して「満足している」と答えた者は、20代で84.7%と高いのに対して、30代では65.7%、40代では50.0%、50代で47.2%、60代で57.2%と40代、50代で低くなっており50代では半数を割っている。
現在では多様なキャリア形成が可能になり管理職になる事が「成功」ではなくなった。雇用形態が多様になった事で一元的に部下を管理できずマネジメント業務の難易度が増している。プレイヤー兼務が基本でマネジメントに特化出来ないため管理業務に力点を置けない。こうした要因で管理職を敬遠する社員が増加しているのではないかとレポートでは推察している。
その上でレポートは「プレイヤーでの実務経験とマネジメントは全く相違するものと考え管理職の負担を少しでも軽くする為にマネジメントスキルの積極的付与等、管理職をサポートしていく姿勢がこれまで以上に求められている」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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