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2019年の百貨店売上高、2年連続の減少 10月以降大幅減 インバウンドは過去最高
日本百貨店協会が2019年の全国百貨店売上高概況を発表。年間売上高は既存店ベースで5兆7547億円、1.4%減。10-12月移動平均8.8%の大幅減[写真拡大]
一昨年より世界経済の減速を受けて国内景気指標も緩やかに減速傾向だ。このため景気後退入りを示唆する声もあるが、都市部を中心とした再開発や高級自動車販売等の好調で内需は底堅いと言われている。
政府は外需に影響を受ける製造業に関しては弱さを認めつつも内需主導の景気回復が持続するとの見通しだ。しかし、昨年2019年は天候不良や消費税増税の影響で消費にも陰りが見え始めている。
22日、日本百貨店協会が2019年の全国百貨店売上高概況を発表している。2019年の全国百貨店売上高総額は5兆7547億円で前年と比較すると既存店ベースで1.4%の減少と2年連続の減少となった。一方、インバウンド関連のみで見ると客数は減少したものの購買単価が上昇したため前年比2.0%の3461億円と3年連続での増加となり過去最高額を更新した。百貨店売り上げでは内需弱含み、外需好調のようである。
3カ月移動平均の推移を見ると、5-7月が1.6%の減少、6-8月が0.7%の減少、7-9月が6.8%の増加、8-10月が2.0%の増加、9-11月が1.1%の減少、10-12月が8.8%の大きな減少となっている。7-9月に駆け込み需要と思われる増加がみられたが増税後の10-12月ではそれを上回る大きな落ち込みとなっており、台風などの天候不良と消費税増税が売上低迷に影響したと推測される。ちなみに12月のみでは5.0%減少の6404億円で3カ月連続のマイナスと依然消費税の影響が残っているようだ。
顧客別にみると、国内市場では5.2%減の3か月連続減少で、全体の4.7%を占めるインバウンドについては0.8%減で3か月連続の減少と共にマイナスだがインバウンドはほぼ前年並みまで回復しているようだ。
19年年間について地域別に見ると、全体の71.4%を占める10都市部では1.4%の減少、それ以外の地区では2.8%の減少と地方ほど落ち込みが大きいようだ。10都市では名古屋の0.1%増を除き全て減少で神戸の3.4%減が最も減少幅が大きくなっている。10都市以外の地区では北海道で3.4%の大幅な増加が見られた他は全て減少で中国の4.9%減が最も大きな落ち込みとなっている。
商品別では美術・宝飾・貴金属の8.9%増、家電の21.6%増が好調だが商品券9.1%減、衣料品4.1%減の落ち込みが目立っている。今後内需の中心である消費が回復するのか動向が注目される。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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