物流の人手不足を解消 IoT、AI活用の物流システム、需要拡大

2020年1月29日 08:15

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記事提供元:エコノミックニュース

富士経済が次世代物流システム・ビジネス市場を調査

富士経済が次世代物流システム・ビジネス市場を調査[写真拡大]

 近年、インターネットを介した通信販売が急拡大し宅配など物流部門への需要は急激に拡大している。一方で少子高齢化の影響による全般的な人手不足の中で物流部門での人手不足も深刻化している。

 人手不足解消のために多くの産業でロボットによるオートメーション化が進められているが物流部門でも省人化ロボットの導入を中心とした次世代物流システムの導入が加速し始めている。

 総合マーケティング業の富士経済が次世代物流システム・ビジネス市場を調査し、その結果を23日に公表している。レポートによれば、2019年の市場規模は4631億円の見込みで前年比7.7%の大きな伸びとなった。

 EC市場の拡大などにより卸・小売向けや運輸・倉庫向けを中心に立体自動倉庫システムや自動搬送・仕分けシステムなどのロジスティクス・ファシリティ各品目が伸びているようだ。国内需要に加えて日系メーカー海外販売の伸びも期待される。

 ロボティクス・オートメーションはAGV(無人搬送車)・アーム付AGVやリニア搬送システムを中心に国内に加えて海外需要も大きな伸びが期待される。

 IoTやAIでは物流情報を共有し連携することによりサプライチェーンの最適化をはかる物流向けIoTプラットフォームやトラック予約システム、AI再配達回避システムなどの大幅な伸びが期待され、またAI画像認識活用物流システムは運用の標準化が進む20年以降に急伸するとみられる。

 注目すべき市場の動向をみると、倉庫ロボットシステムの国内市場規模は19年に50億円と見込まれ、投資コストが比較的低く出荷量の増減についても倉庫ロボットや専用棚の増減で対応できるなどの利点により需要が増えており、25年には270億円市場と18年比8.4倍まで拡大すると予測されている。

 AI再配達回避システムの国内市場規模は19年には10億円程度と見込まれている。EC市場の拡大による配達物量の増加、また慢性的な配送業界の人手不足を受け配送員個人の経験や技量に依存しない再配達回避システムのニーズが高まっている。今後は各家庭に設置されたスマートメーターの情報をAIが解析する方式が主流となるとみられスマートメーターの普及に伴い大幅な市場拡大が期待され25年の市場は350億円程度まで拡大すると予測されている。

 AI、IoTの発展普及に合わせ物流システムも今後急激に変容して行く模様だ。(編集担当:久保田雄城)

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