セブンイレブンが東大阪・南上小坂店との加盟店契約を解除! これからどうなる? (下)

2020年1月8日 21:00

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 コンビニが年末年始の営業を見直す動きは競合他社で鮮明になり、ローソンでは12月31日から1月2日にかけて全国のFC加盟店合計102店が、日時は店舗によって異なる休業実験を実施すると公表していた。

【前回は】セブンイレブンが東大阪・南上小坂店との加盟店契約を解除! これからどうなる? (上)

 ファミリーマートでは、12月31日から1月3日の間にFC加盟店約320店の営業を本部が代行する制度を適用して、オーナーが休暇を取得できるようにした。競合コンビニが3桁の加盟店店舗のオーナーを休ませる取り組みをする中で、セブンは首都圏の直営店約50店で実証実験としての元日休業を行った。

 セブンは24時間営業問題でも直営店での実証実験を先行させていた。傍目には新規の取り組みは直営店に担わせて、FC加盟店に波及することを極力避けようとしているように見える。そのため、FC加盟店のオーナーからは不満が上がっているようだ。

 「コンビニ加盟店ユニオン」は、”オーナーが年末年始の休業を選択できるようにして欲しい”とする嘆願書を、セブン本部に提出している。

 店舗によっては元旦の売上が年間最低になるほど低下するのに対して、給料を割増にしなければパートが集まらないために、売上減の経費増というダブルパンチで、みすみす赤字営業をしたくないということだ。コンビニ最大手のセブンに率先垂範を期待してセブン本部に提出したものの、あまり伝わっていなかったようだ。

 セブンが南上小阪店のオーナーに通告した契約解除の理由は、時短問題や休業問題との関連を否定して「偏(ひとえ)にクレームが多いことに尽きる」としているのは、コンビニ業界が既に時短と休業を容認する方向に向かっているため、表立った理由に出来ないと感じたからだろう。

 しかし、クレームの内容を知らせずに、突然一方的に短い期限を設定して改善策を求めるのは、「クレームのない店」にして欲しいという思いよりは、契約解除ありきと受け止められても止むを得ない唐突さだ。

 ネット上での情報では、確かに南上小阪店へのクレームは多かったのではないかとも推測は出来るものの、極論すると、本部に対して本当にそれだけの件数のクレームがあったかどうかも、オーナーには確認できない。本部と加盟店の信頼関係を根底から覆す行為とも言える。

 もしこうした手法が前例になると、本部は加盟店の生殺与奪(せいさつよだつ)の絶対的な力を得て、気にくわないうるさ型のオーナーがいる店舗を、自由に潰すことすら可能になる。セブンの本部がいくら「加盟店のオーナーは独立事業者で本部と対等の関係だ」と言っても、建前ばかりの絵空事だと感じるオーナーは少なくない。

 ネットに展開されている「セブン-イレブンFC説明会」には、こうした出来事と整合性のない美辞麗句が並び、空しさを感じる人が多いだろう。

 果たしてセブンは、どこに行こうとしているのだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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