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セブンイレブンが東大阪・南上小坂店との加盟店契約を解除! これからどうなる? (上)
セブン-イレブン・ジャパン(セブン)は、大阪の南上小阪店を経営する松本実敏オーナーに対して、「顧客からの苦情が多いので、状況によっては加盟店契約を解除する」と通告していた。松本オーナーは、19年2月に本部との合意のない状態で営業時間短縮に踏み切り、コンビニの24時間営業を見直すキッカケとなった。
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19年12月20日、本部の社員が南上小阪店を訪れて永松文彦社長名の通知文書を手渡した。文書には10日以内に信頼関係を回復するように促し、対応がなければ加盟店契約を解除すると記載されていた。
オーナーは、「8~12月の間にお客からのクレームはなかった。本部に確認したところ『1年で78件のクレームがあった』と言われた。12月29日に大阪地方本部で話し合いをするので内容を見せて欲しいと言ったところ、『全部は無理だが希望には沿いたい』との返事があった」と語った。
どうやら、セブンの加盟店に対するクレームは加盟店に直接届くものと、本部に寄せられるものがあるということになる。オーナーは本部に確認をして、初めて年間78件のクレームが寄せられていたことを知ったようだ。
クレームがあり次第、当該加盟店に改善を促す指導を積み重ねてサービス品質の維持・改善を図るのが本部の役割だろうと思うが、セブンでは本部に寄せられたクレームを、都度当該加盟店に伝える体制を取っていないと感じさせる遣り取りである。
オーナーが12月29日にセブンの大阪地区本部に出向いた際の協議は決裂し、その場で契約解除とオーナーに賃貸している土地と店舗を31日に明け渡すよう求められている。20日に10日間の猶予を得て、足掛け10日目に協議に臨んだところ物別れ状態になり、その場で最終通告を受けたことになる。
19年末に加盟店契約を解除されたオーナーは、セブンからの商品供給がない中で1月2日から独自の営業を開始し、現在の店舗にある商品を売り切った上で”臨時”休業する予定だ。6日には、大阪地裁にオーナーとしての地位確認を求める仮処分の申し立てを行った。
オーナーは19年8月22日に、「人手不足なので9月から日曜日を休業する」とセブンの本部に通知し、本部からは「対応を検討する」との回答を得たが、翌23日に本部から寄せられた回答は、「明確な契約違反なので、休業に踏み切った時点で加盟店契約を解除する」というものだった。オーナーは8月27日にセブンの本部と話し合いの上、「従業員が確保でき、寄り添う本部の姿勢も感じた」として日曜日を定休日にする計画は撤回している。
オーナーはその後本部に20年の元旦に休業する旨を伝え、本部からは唸りながら「うーん、分かりました」と返事があったことを公表している。年末までオーナーの「元旦休業」意志は変わらず、本部からも「元旦休業」を云々(うんぬん)するアクションは特になかったようだ。(下)に続く(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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