ユニゾHD、従業員による自社買収(EBO)へ 完了後は非公開会社に

2019年12月26日 17:21

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 株式争奪戦の行方が注目されていたユニゾホールディングス(ユニゾHD)は22日、従業員による自社株買収(EBO)の方針を決め、24日から2020年2月4日を期限に1株5,100円で株式買い付けが始まった。

 7月のHISによるTOBをキッカケに始まった株式争奪戦は、国内の上場会社では初めてという奇策により、ひとまず決着することになった。EOB完了後は非公開会社となり、全役員が辞任する。

 公開買い付けを行うのは、ジョイント・ベンチャーの(株)チトセア投資。ユニゾグループの従業員の出資によるチトセア(株)が73%、米投資会社ローン・スターが27%を出資し、設立された。

 ユニゾHDは、チトセア投資によるEOBに賛同した理由として、(1)買い付け価格5,100円は株主にとって最も優位な価格である、(2)会社としての現在の形態を維持できる、(3)ローン・スターグループから資金と日米における不動産事業のノウハウ、ネットワークなどが提供されることを挙げている。

 また、ローン・スターとはホテル・倉庫での取引関係があること、複数回の公開買い付け提案があったこと、同社と従業員との協議をへて方向性が一致したことが背景と、経緯を説明している。

 ユニゾHDをめぐっては、HISによるTOBに対し、ホワイトナイトしてソフトバンク系米投資ファンドのフォートレスが登場。このほかにブラックストーンをはじめ国内外の数社の名がスポンサーとして取りざたされていたが、ユニゾHDは今回のチトセア投資との契約に伴い「すべて協議を終了する」としている。

 ユニゾHDは1959年、大商不動産として設立。日米の賃貸オフィスと3ブランドによるビジネスホテルの展開で成長し、2009年東証2部に上場、11年に1部に変更した。19年3月期の連結決算によると、売り上げ560億円、従業員は390人。不動産部門の保有物件数(19年4月末)は国内68棟・海外11棟の計79棟。ホテルは計画開発中の8店舗を加えて32店舗。

【EOB】
 Enployee Buy-Outの略。従業員による自社株買収で、資本金の少ない中小企業に多く、今回のような上場会社では異例。外部からの買収への対抗策として実施されるため、EOB成立後は非公開会社になるケースが普通。(記事:澄・記事一覧を見る

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