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小惑星の脅威 恐竜を滅亡させた大惨事が再び起こる可能性も
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12月22日に英エクスプレスジャーナルが物騒なタイトルの記事を掲載した。物理学者ロブ・ファン・デン・バーグが唱えた、小惑星が地球に衝突する脅威に関する見解を紹介したものだ。2019年は太陽系外から彗星がやってきたり、地球に小惑星が異常接近したりと、事前にまったく予測していなかった宇宙からの訪問者のニュースが相次いだが、年末になってダメ押しとも言うべき情報を目にすることになってしまった。
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ところで地球に最もダメージを与えた衝突物は、地球の自転軸を傾かせて、四季の原因を作り出した小惑星だろう。その張本人は現在も私たちはよく目にする存在でもある。
その張本人とは月のことである。月が衝突した時のクレーターは存在していない。その理由は、地表があまりにも高温になり、溶融状態になったと考えられるからだ。今度、月ほどの大きな天体が地球に衝突したら、間違いなく人類のみならず、地球上のあらゆる生命が絶滅するだろう。
いっぽう恐竜を絶滅に追いやった張本人は、今からおよそ6,600万年前に地球を襲来した、直径約15kmの小惑星であったと考えられている。月と比べれば、ずいぶん小さく、衝突の痕跡であるクレーターらしきものも確認できる。しかしながら衝突時のエネルギーは、広島に投下された原爆の10億倍にも及ぶと言われている。
衝突直後の地表は熱風の嵐となり、恐竜は焼き殺され、そのあとに地球は寒冷化し、丸焼けになった恐竜は冷凍されてしまったことだろう。
ロブ・ファン・デン・バーグは、この規模の小惑星が再び、地球に襲来すると警告する。頻度的には数百万年に1度というものだが、恐竜滅亡原因となった小惑星衝突以来、同程度の小惑星の地球への衝突はない。つまり、このクラスの小惑星がいつ地球に襲来してもおかしくないというのである。
また直径1kmの小惑星が衝突しただけでも、大都市が一瞬にして焼失してしまう大災害をもたらすため、小惑星衝突による大災害のリスクは数百万年に1度などと悠長なことを言っている場合ではない。
ただし、NASAが把握している直径1km以上の小惑星の軌道データからは、向こう数百年間に地球に衝突する可能性のあるものは、見出せないと言う。とはいえ安心もしていられない。なぜならば、ここ数年で太陽系外から飛来した天体が2つも確認されているからである。
私たちの太陽系は、銀河系のなかを秒速240kmという猛烈な速度で移動しており、行く先々が人類にとっては未体験ゾーンなのである。その先々で小惑星のような天体が異常に多く存在する領域を通過しないとも限らない。
また地球めがけて突進してくる小惑星の速度は非常に速く、人類のテクノロジーではこれを迎撃できる高性能ミサイルを開発することは不可能なのである。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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