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法人向けシェアオフィスが拡大
ワークスタイリングSHARE(画像: 三井不動産の発表資料より)[写真拡大]
シェアオフィスに大手不動産資本の参入が積極化している。個人(事業主)が重宝するシェアオフィスの需要がこれまでは主だったが、トレンドも変わりつつある。
【こちらも】シェアオフィスの増加は時代の変化を映し出している
例えば三井不動産(東京都中央区)は法人向けシェアオフィスブランド「WORKSTYLING(ワークスタイリング)」を、2017年4月から展開している。
「10分から利用できる時間単位の多拠点型シェアオフィス:SHARE(シェア)」「日付・人数・期間などに柔軟に対応できるサービスオフィス:FLEX(フレックス)」「宿泊機能付きのワークスペース:STAY(ステイ)」の3種類で構成されている。全国に35拠点(2019年4月末時点)展開し、利用契約を結ぶ企業数は300社を超える。毎月の利用人数は約5万人。
好評を得ている最大の要因は「セキュリティ」。それまでビジネスマンは、外回りの際の資料確認や取引先との打ち合わせにカフェを使用するケースが多かった。セキュリティ面で課題があった。出先でも高いセキュリティ環境の中で仕事がしたいニーズに応えたのが、「WORKSTYLING SHARE」。
三井不動産では「大手企業を中心に『働き方改革』の動きが広まっており、遠隔地勤務の時代という流れの中で設けられたサテライトオフィスを上手く活用しながら、モバイルワークを行うワーカーや企業が増えている。そのニーズに合わせた施設が『WORKSTYLING』。昨今は特に個室ブースのニーズが高まっており、八重洲のオフィスでは午後4時以降からは空きがないほど稼働率も好調。契約を結べば全拠点を利用できるので、夕方以降は出先の最寄りの施設を使用して帰宅する人達も増えている」と変化を語る。
会議室の利用ニーズも増加傾向にある。社外での会議や打ち合わせに「WORKSTYLING」を使用する企業が増加。三井不動産も既存のオフィススペースを拡張し、個室ブースと半個室に近いボックス席を増設している。TV電話が可能な会議室も増えており、年々ニーズも上昇。取引先や遠方にある営業所・支社などのスタッフとのTV会議で、効率的な会議が行える。
FLEX需要の高まりも顕著。企業が新たに立ち上げたプロジェクト用のオフィスに利用する事例が多い。FLEX内の仕切り壁が簡単に取り外し可能で、プロジェクト規模の拡大に対応できる点が受けている。
2社が協力して行う共同プロジェクトの拠点として選ばれる事例も多い。FLEXも同様に厳重なセキュリティや充実した共用スペースなどが評価され高稼働を維持している。また利用者以外で労務管理を担当とする総務職からも好評。入退室時に利用するQRコードによって容易に利用時間が把握でき、支払い利用料金の正確化をもたらす。
「昨今は企業や人との繋がりを促進する取り組みとして、会員同士のマッチングや企業間コラボのサポート、更に専門領域の第一人者の紹介サービスにも注力している。会員同士を繋げる『ビジネススタイリスト』の導入及び配置する拠点数を増やしている。また会員企業と専門領域との繋がりを促す観点から、各分野に精通した専門家『テーマエキスパート』によるマッチングも好評。企業間を繋げるコラボレーションサポートを強化し、20以上の最先端ビジネスの第一人者と出会える機会を創出することで、新たなビジネスの生み出しに繋がる場を形成していく方針」と語る。
「WORKSTYLING」は現在、都心エリアを中心に拠点数が増加している。ターミナル駅周辺に2拠点、3拠点ある場合も珍しくない。札幌や名古屋、梅田、博多など地方都市にも開設しており、2020年までに50拠点への拡充を目指している。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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