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【自動操縦に警鐘】安全確保のはずが! ボーイング737MAX生産停止 (1/2)
ボーイング737 MAX 8型機(c)123rf[写真拡大]
ボーイングは16日、2020年1月から737MAXの生産を一時停止すると発表した。これまで2度の墜落事故が発生しており、2019年3月以降、世界中で全371機を運航停止としていた。一方で、ペースを落としながらも生産が継続されてきた同機だったが、ここにきて、米航空規制当局が「早期の運航承認はしない」と明確にしたことから運航開始は当面なくなり、生産を続けても納入できないことから、一時生産停止の判断をしたものと見られる。
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ボーイング737MAX8は、1967年の初飛行以来、改良発展型の生産が半世紀にわたり続けられてきた機体だ。「名機」「ベストセラー」と言ってよい機体である。それが最新型機で事故が相次ぎ、原因と思われる現象もかなり突き止められている中で、運航停止が長引いていた。737MAX8の改装点は、エンジンの転換装備である。
燃費向上が約14%と見られる「CFMインターナショナル LEAPエンジン」を採用している。最新のターボファンジェットエンジンは前部に設けている「ファン」の径を拡大し、ターボジェットの噴射だけに頼るエンジンより燃費を向上させてきた。
737が誕生した半世紀前に比べると、エンジンナセルの直径がかなり大きくなり、今回の737に装備するにあたり、エンジンを高く吊らないと地面に接触してしまうほどだった。そのため、上に上げる余裕のないことから、やや前方に突き出す形でナセルを取り付けざるを得なかった。
そのため機首上げモーメントが発生しやすく、それをコントロールするため「操縦特性補助システムMCAS」(Maneuvering Characteristics Augmentation System)、つまり操縦支援システムを装備した。2つの機首上げセンサーのうち1つでも異常な動きが出ると、「機首下げ」自動操作を行い安全性を保つようにされている。
しかし、センサーが異常を検知し自動的に機首下げ操作が行われたが、パイロットの方は機首上げ操作を行っており、パイロットと装備がせめぎ合いをする中で墜落したとされている。MCASをキャンセルすればパイロットの手動に従うのだが、この解除操作の訓練がパイロットに対してなされていなかった様子もうかがえる。
スタビライザートリムホイールを手動で操作するにはオートトリムを切り、スタビライザー制御システムのカットオフスイッチを切りにして、マニュアルでスタビライザートリムホイールを回す必要がある。
手動操作であれば簡単であるが、自動装置が解除できずにせめぎ合いになった時、パイロットがパニックとなる危険がある。そのため、手動に切り替える操作が単純でなければなるまい。しかし、そうすることで逆に簡単に手動にしてしまい、安全装置が働かない危険が生じるのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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