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日本シリーズ4連敗で敗退の巨人 疑問が残った戦いぶり
2019年の日本シリーズは、福岡ソフトバンクホークスの鮮やかな4連勝で幕を閉じた。セリーグ覇者として挑んだ巨人は4試合とも優位に立つことは出来ず、シーズンで見せた戦い方を発揮することなく敗退、2012年以来の日本一を手にすることは出来なかった。
7年連続でパリーグが日本シリーズを制したことにより、巨人・原辰徳監督は、シリーズ終了後にはセリーグへの「指名打者制」の導入を言及するなど、今後へ向け、大きく実力差が表れた今回のシリーズを踏まえ危機感を隠そうとはしない。ただ、シリーズでのその戦いぶりには大きな疑問が残る場面もみられた。
■絶不調の主軸のあっけない凡退
象徴的なシーンは第4戦、序盤の場面だった。
3回裏の巨人の攻撃、このシリーズここまでまだ安打の無い3番・丸佳浩の打席。ランナーを2人置き、先制のチャンスを迎えるも、ホークス先発和田毅の前に、見逃しの三振に終わる。内外角に5球、投げ分けられたボールに対し1度もバットを振ることなく凡退、先制点の好機は潰えた。
今季途中から先発ローテーションに組み込まれるも、最終盤は決して好調とは言えなかったベテラン和田を捕まえる最大のチャンスを逃す。その後、攻守が変わった4回表、逆にエース菅野が打ち込まれ塁を埋められ、最後はグラシアルの本塁打で3点を失う。両軍の好不調打者の明暗がくっきりと表れ、今シリーズの戦いぶりが凝縮されたシーンが繰り広げられた。
■大きな差を生んだ両軍の采配
3連覇を果たしたホークスとの戦力の違いが表れたと言われる今回のシリーズだったが、巨人が自らのチーム力を殆ど発揮できずに終わったようにも感じられた。レギュラーシーズン、新加入で打線の核となった丸の存在が優勝の原動力となったものの、日本シリーズという短期決戦においては、チームを勢いづかせる存在にはなり得なかった。
それでも原監督は、坂本勇人、岡本和真ら、不振が続いた上位打線を4試合とも組みかえることなく正攻法を貫こうと試みた。ポストシーズンを通して大胆な決断で攻めた工藤監督とは対照的に、4試合で僅かに1安打だった丸の存在に変化を付けられなかった指揮官・原監督の采配こそ、4連敗を呼び込んだ大きな要因ではなかったか。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る)
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