消費増税とポイント還元制度の実施が迫る! (3-2) 販売業者の動きが鈍い!

2019年8月24日 12:10

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 デパート等の大企業はポイント還元の対象外とされている。しかし、顧客の流出を切歯扼腕しながらただ見ていることはない筈なので、顧客をつなぎとめるため、値引きを含めた対抗策を打ち出してくると思われる。

【前回は】消費増税とポイント還元制度の実施が迫る! (3-1) 最大5%還元

 尚、消費動向が増税の前後で大きくブレることを抑制するため、住宅ローン減税拡充等の住宅周りの施策拡大、自動車取得税の廃止と自動車税環境性能割の導入、プレミアム付き商品券の発行、幼児教育と保育の無償化、年金生活者支援給付金の支給等幅広い負担緩和措置も同時に実施される。

 ポイント還元には「キャッシュレス決済」を利用することが大前提なので、ポイント還元の恩典を受けるために、販売業者は決済事業者を経由する必要がある。現在、カード会社、QRコード決済業者、銀行などの金融機関、その他の業者が入り乱れて主導権争いを展開しているのは周知の通りだ。

ポイント還元に参加する目的で登録を済ませた決済事業者と仮登録事業者は、8月20日には900社に迫る勢いでまさに乱立状態だ。販売やサービスの提供窓口で、レジでの取り扱いが煩雑にならないように、決済事業者の絞り込みを検討している様だが、利用者が多くて導入障壁やランニングコストが少ないサービスを、どうやって見極めるのかという難しい判断を迫られている。

 全国で数百万店と推定される中小の小売店・飲食店・宿泊施設からの申請が遅れていることを見ても、その傾向は明らかだ。経済産業省のHPには7月30日までに受付けられた都道府県別で23万9,273店の申請状況と、登録済みの4700店の名簿が掲載されている。申請件数と登録件数の乖離が大きいことは、駆け込み的な動きが始まりかけていることを窺わせるが、申請の絶対数は明らかに少ない。

 しかも、登録済みの4700店の名簿は地域ごとに、あいうえお順でリストに掲載されているが、非常に見にくく感じられ実用の役に立つとは思えない。いずれはスマホのアプリが提供されて地図上の位置が分かり易くなるようだが、高齢者等の情報弱者に対する配慮の必要性も感じる。

 決済事業者が過熱状態であるのに対して、「ポイント還元」制度を利用する中小の小売店・飲食店・宿泊施設の動きが鈍く感じられ、消費者の熱気もあまり感じられないのはなぜだろう。

 店舗側の事情としては、(1)決済事業者の選定に悩んでいる(2)「ポイント還元」期間経過後、決済事業者が手数料率を引き上げるのではないかと懸念を持っている(3)周知が進んでいないため、販売業者に切迫感がない(4)何をしたらいいのか分からない、等々の要因が潜んでいるだろうが、あと1カ月少々で制度がスタートすることを考えると、早急に申請してもらうための手立てが必要だ。(3-3に続く)(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

続きは: 消費増税とポイント還元制度の実施が迫る! (3-3) 生活習慣の変革成るか?

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