9月9日に地球へ衝突する可能性があった小惑星 最新情報をESAが発表

2019年7月18日 08:08

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 2006年に発見された小惑星2016QV89が、2019年9月9日に地球に衝突する恐れがあるとのニュースが一部で報じられ、日本ではまったく知られていなかったが、ヨーロッパでは小さな話題を呼んでいた。

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 この小惑星は直径が50mクラスのもので、人間の尺度から見ると比較的大きなものに感じてしまうが、宇宙のスケールから見ると芥子粒のように小さな存在にすぎない。また太陽系には大小合わせて100万個以上の小惑星が存在していると言われている。

 このクラスの小惑星は観測にかかりにくく、2006年に発見された当時も、わずか10日足らずでその存在を確認することができなくなってしまった。この10日間に得られたデータから、将来の軌道を計算したところ、2019年9月9日に7000分の1の確率で地球に衝突する可能性があることが判明した。

 このような小さな小惑星の場合、地球に衝突するリスクについては、観測によって確認し続けることができない。そのため、予想衝突時点の少し前の時期(つまり地球に比較的近づいてきた時期)に、だいたいこのあたりにあれば衝突するという予測を立てて、その宇宙空間をこまめに探索するしか方法がない。

 ところで7000分の1という確率をどう見ればよいのだろうか?宝くじで1等が当たる確率は200万分の1程度であることを考えると、小さそうでそれほど小さくない。いや人類にとっては無視してよいレベルの数字ではないだろう。

 一説によると150mクラスの小惑星がもし東京に落下したら、東京は全滅するという。50mクラスであっても一つの都市が全滅するほどのインパクトがある。しかも50mクラスの小惑星が地球に衝突する確率は100年に1度程度で、人間の寿命を考えれば、無視できない頻度である。

 今回この小惑星が地球に衝突する危険性についてESAから重大な発表があったわけだが、たった50mしかない小惑星の探索は困難を極めるものであることは想像に難くない。今回の発表は世界を代表する2つの天文台(ESAとESO;ヨーロッパ南天天文台)が協力し、7月4日から5日にかけて実施した観測結果に基づくものである。

 その発表内容だが、9月9日に地球に衝突する可能性のある宇宙空間に、2016QV89の存在は確認できなかった、というのがその結論である。とりあえず人類は当面の危機リスクがないことを科学力で明らかにできたわけだが、小惑星は太陽系に100万個以上ある。いつ何時、予告なしに地球に飛来しても不思議はない。そのことを知らないほうが平穏に暮らせるのかもしれないが。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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