NYの視点:対中輸入関税は存続、世界経済の減速懸念残る

2019年7月2日 07:34

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記事提供元:フィスコ


*07:34JST NYの視点:対中輸入関税は存続、世界経済の減速懸念残る
6月29日に行われた米中首脳会談で通商協議を再開することで双方は合意し、トランプ米大統領は対中関税第4弾の発動を当面行わないと表明した。週明け7月1日のアジア市場では、日本(日経平均など)、中国本土市場(上海総合指数など)の株価指数は強い動きを見せた。

ただ、市場関係者の間からは「株高が持続する保証はない」との声が聞かれている。中国国家統計局が6月30日に発表した6月の製造業PMIは49.4となり、経済活動の縮小・拡大の境目である50を引き続き割り込んだ。また、財新/マークイットが7月1日に発表した6月中国製造業PMIは49.4に低下し、こちらも節目の50を割り込んだ。

製造業の業況が悪化しているのは、以前から賦課されている対中輸入関税の影響が大きいとみられている。米国が対中関税第4弾の発動を見送っても状況が改善されるわけではなく、中国の製造業に対する圧力が弱まることはないとみられている。輸入関税の長期導入は中国経済の減速を促し、日本経済への波及も予想される。中国経済の減速は2019年と2020年の世界経済の成長率をさらに低下させる一因になるとみられており、この影響で「米国経済の減速は避けられない」との声が聞かれている。《CS》

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