日本のIT投資、プラス成長続く見込み Win10移行や消費税対応等で

2019年5月29日 09:08

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記事提供元:エコノミックニュース

IDC JapanがIT市場の予測を発表。2020年のWindows7のサポート終了に伴う更新需要、10月の消費税増税関連への対応などから、市場規模は18.8兆億円で前年比3.4%プラス成長と予測。  

IDC JapanがIT市場の予測を発表。2020年のWindows7のサポート終了に伴う更新需要、10月の消費税増税関連への対応などから、市場規模は18.8兆億円で前年比3.4%プラス成長と予測。  [写真拡大]

 2011年の大震災以後、日本の産業界はセキュリティ強化型のIT投資に力を入れてきた。これにマイナンバー制度への対応も加わり、リーマンショックからの立ち直りと設備投資循環のタイミングが同期したこともありIT投資ブームとも呼ばれる状況が生まれた。

 IT投資計画を見る限り17年にはこれらの需要も一巡しピークアウトするというのが一般の見方であったが、AIやIoTへの対応など新たな技術に対応するためクラウド化を見据えたサーバー仮想化を中心にIT投資は引き続き良好な水準で推移してきた。さらに今年はWindows10への移行や10月の消費税税率改定への対応でIT投資は活発に推移しそうだ。

 IT専門調査会社のIDC Japanが23日、「国内産業分野別・企業規模別のIT市場の支出動向」について19年~23年の予測を公表している。レポートによれば、本年19年の国内IT市場は、20年1月のWindows7のサポート終了に対応したWindows10への移行に加え、10月に予定されている「消費税増税/軽減税率制度」へ対応するための関連システムの導入や変更の需要が見込まれることからIT関連投資市場の規模は前年比3.4%増加の18兆807億円に達すると予測している。

 米中貿易摩擦やBrexitなど保護主義的動向により世界経済の減速リスクが懸念されているが、今のところグローバル経済は順調に拡大基調にあり、大手製造業を中心に企業は高い業績を維持し、レポートでは23年までは年平均1.0%程度のGDP成長率を達成すると見込んでいる。

 この見込みを背景に、既存システムの刷新や働き方改革関連の業務効率化に伴い新規のシステム導入・開発が堅調で、これに付随するソフトウェアやIaaSが市場の成長を牽引している状況のようだ。

 本年はWindows10への移行、消費税関連の駆け込み需要があるが、来年20年は反動によってIT市場は1.3%の成長率に落ち込むと見込まれるものの、21年以降はスマートフォンの更新需要やIaaS、ソフトウェア、ビジネスサービスの堅調な成長や22年から本格化する5G関連の投資が活発化するなど市場全体は堅調な拡大傾向となると見込まれる。こうした見込みからレポートでは18年から23年までの年間平均成長率を2.4%と予測している。

五輪特需の一巡で景気失速が懸念される中、IT投資分野は新規テクノロジーの出現に支えられ今後も堅調に推移しそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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