京写が中期計画をローリングし「グローバルニッチトップ」を目指す

2019年5月4日 13:28

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■特定分野にターゲットを絞り、コアコンピタンスの印刷技術を武器に展開

 プリント配線版の大手、京写<6837>(JQS)は4月26日、中期経営計画をローリング(事業推移に合わせた見直し)し、2020年3月期から2024年3月期までの新たな中期経営計画を発表した。

■5年後の売上高は320億円(19年3月期は210億円)を目指す

 同社は19年1月、ベトナムに新生産拠点を設立した、また、19年は創立60周年の節目を迎える。プリント配線板業界の状況は、米中貿易摩擦の影響を受け先行き不透明な状況にあるが、自動車の電装化、電子部品の小型化、IoTやAI技術の発展により、新たな成長分野も生まれている。これらの成長機会を捉えるため新たな戦略により、経営基盤を強化し、更なる企業価値の向上を目指す。

 基本戦略として、事業環境の多様化などにより、そのすべてを自社で行うことは難しくなりつつあるため、特定分野にターゲットを絞り、コアコンピタンスである印刷技術を武器に、様々な分野でパートナーシップを構築することで、グローバルニッチトップメーカーを目指す。

 そして、数値目標は、最終年度の2024年3月期に、売上高320億円(19年3月期は210.35億円)、営業利益15億円(同4.98億円)、営業利益率4.7%(同2.4%)、ROE(株主資本利益率)10%(同7%台)を掲げた。

■産学連携や各分野に強い企業とのパートナーシップも推進

<グローバル生産・販売戦略> 自動車分野では電装化、EV化や自動運転技術が進展し、家電や産業機器等の分野においてもIoTやAI、センサー技術の普及により、新たな市場が生まれている。これらの新たな市場に対応するため、海外において両面プリント配線板や実装関連製品の新拠点を立上げ、生産体制の強化を図るとともに、市場シェアや技術力で強みのある片面プリント配線板においても独自技術やソリューションの提供を武器に、グローバル市場において拡販を図る。

<企業間連携戦略> 現在の市場環境は、顧客ニーズの多様化と技術の高度化が進み、企業同士の協力で課題解決を進める土壌が醸成されつつある。これまでの企業間連携や産学連携による事業化や、共同研究の実績を活かし、自社で全てを行うのではなく、この連携を仕入先や顧客等の取引先や同業他社に広げ、各分野の強い企業とのパートナーシップの構築により、競争力の強化や新マーケットの開拓、新ビジネスの開発を進める。

<効率化戦略> 現在の市場環境は、市場のボーダレス化により顧客からはグローバルでのコスト対応力を求められている。一方でIT化や自動化の普及、AI技術の進化により、これまでにない業務の効率化や労働環境の変化が起こりつつある。この様な環境変化の中、これまで培ってきたグローバル生産体制の活用、自動化の推進に加え、ITやトヨタ生産方式を積極活用した業務の効率化、最適地生産等によりコスト競争力を強化する。

<技術戦略> 現在の市場環境は、電子部品の小型化が進み片面プリント配線板においても微細化のニーズが高まっている。またLED分野においては、自動車用ライト等へ用途が拡大し、コスト面や放熱対応の要求が増加している。これらの市場ニーズに対して、コアコンピタンスである印刷技術を武器に微細化基板や低価格な放熱基板の量産体制の構築を進めており、付加価値のある片面プリント配線板の提供と印刷技術をコアとした新製品、新技術により差別化を推進する。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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