抜群のキャストと再現度で現代を表現する! ドラマ「きのう何食べた?」が話題沸騰中

2019年4月28日 10:18

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■異例の再生回数を達成した「きのう何食べた?」

 テレビ東京の深夜ドラマ枠として放送されている「きのう何食べた?」に、視聴者だけでなく業界人からも注目が集まっている。「大奥」などで知られるよしながふみ原作の漫画を実写ドラマにしており、ゲイのカップルから見える世界を表現しつつ、丁寧な食事シーンが話題となり、原作は累計500万部を超えるヒットだ。

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 大きな話題を呼んでいる漫画の実写化には期待と不安が混じるものだが、視聴率で見れば深夜帯にも関わらず初回3.2%で、北海道地区では6%を超えた回もある。さらに見逃し配信では、155万回以上の再生数も記録しており、多くの人がドラマの完成度に満足しているのがわかる。

■あなたの身近にもいる「人」を描く「きのう何食べた?」

 几帳面な43歳の弁護士・筧史朗(西島秀俊)と美容師の矢吹賢二(内野聖陽)はゲイのパートナー同士で、2LDKのアパートで同棲している。史郎は1日の終わりにご飯を作ることに生きがいを見出しており、2人で自炊したご飯を慎ましく食べる時間を大事にしていた。

 ある日、賢二が史郎のスマートフォンの画面を見たとき、富田佳代子(田中美佐子)という女性から連絡が入っているのを偶然見つけてしまう。気が気でなくなった賢二は史郎の素行をこっそり調べようとしたが、結局はバレてしまい史郎から真実を告げられる。

 佳代子は行きつけのスーパーで出会った主婦の人で、1玉のスイカを分け合うことをきっかけに知り合った人だった。出会った当初はトラブルもあったが、史郎自身がゲイだとカミングアウトすると、瞬く間に富田一家に知れ渡り、家族ぐるみの付き合いをすることになったのだ。適度な距離で付き合ってくれるのは嬉しいのだが、どこかまだ理解はされていないことを感じる史郎だった。

■ゲイへのリアルな距離を描く

 別の日、久々に実家へ帰った史郎はエクレアをお土産に持って帰っていた。両親には自分がゲイであることを話していたが、お土産を用意しただけで「気が利くところが女の子っぽい」となどと母親から言われてしまう。他にも「ゲイでも犯罪者でもあなたを受け入れるわ」と言われたり、さらに父親からは「どんな女なら好きになれるんだ」と言われるなど、まだまだ理解には遠いと感じる。

 後日、史郎はいつものように佳代子と特売のキャベツを分け合う中で、家族も佳代子と同じように接してくれればと愚痴をこぼす。しかし家族だからこそ、受け入れられないことがあると佳代子は答え、「自分の娘がレズビアンと言われたら混乱する」と、正直な感想を漏らすのだった。

 漫画ながら本格的なご飯シーンとレシピを描くことで人気が出た「きのう何食べた?」だが、ゲイの人から見る世界と、その周りの人間の反応もリアルに描いているのが実写ドラマからも見え隠れする。特に、ゲイという事実を知ったとしても、やはり理解されるのは難しいという現実もしっかり描いている。

 SNSなどでも、ご飯シーン以外に主演を務める西島秀俊と内野聖陽の演技にも絶賛の声が多く、この二者のキャスティングがドラマの評価に大きく影響していることがわかる。すでに4話まで放送されているが、今からでもぜひ見逃し配信などで追いかけて欲しいドラマだ。

 ドラマ24「きのう何食べた?」はテレビ東京にて毎週金曜深夜0時12分から放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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