サラリーマンが妻を社長にして資産運用会社を設立し節税する方法

2019年3月15日 11:09

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■サラリーマンの夫婦で資産運用会社設立による節税

 サラリーマンの妻が先物・FXや仮想通貨などの資産運用で年収が130万円を超えてくると、それに伴う支払わなければならないコストにより収益の多くを失ってしまいます。税金対策をしたくても資産運用での収益なので、前もって年間プラスの年や年間マイナスの年が予測出来ず事前に対策が困難です。

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 夫婦で共同出資の資産運用会社にすれば、夫のサラリーマンでの収入に対する課税に影響を与えなくなり節税が可能となります。ここではサラリーマンが夫婦で共同の資産運用会社を設立するメリットやデメリット、注意点などを、実際の経験に基づいて紹介します。

■妻のFX・先物や仮想通貨などの収益に支払うコスト

 (1)夫が配偶者控除や配偶者特別を受けられなくなり課税額の増加分・夫の会社の家族手当などの減額分

 (2)夫の会社の健保を外れて国民健康保険への加入が必要となる。
 保険料が年間20万円ほど必要となります。※保険料は年齢と収入から計算されます。

 (3)国民年金への加入が必要となる。
 2018年度で16,340円×12カ月≒20万円ほどの年金納入が必要となります。

 上記(1)~(3)で最も効率の悪い年収130万円台になってしまった場合は、資産運用の収益の多くを失うことになります。

■資産運用会社にするメリット

 (1)経費を計上することが出来る。
 新聞・携帯電話代・自動車関連費用・生命保険・インターネット代金・有料セミナー参加費・投資関連書籍etc
 ※生命保険は、会社が役員を被保険者にして契約者を会社にして保険金を負担し、受取人を家族にする。掛け捨ての定期型であれば全額損金として費用に出来ます。

 (2)損益通算が出来る。
 株式や先物・FX、雑所得となる仮想通貨などの損益通算が可能となります。FXで損失を出しているのに、株式で課税されるというジレンマから解放されます。
 夫が年間収益マイナスで、妻が年間収益がプラスやその反対など笑えない状況が発生した時も損益通算となります。

 (3)損失の繰越
 2017年以降は、損失の繰越年数が10年まで延長されています。個人の3年間と比較するとかなりのメリットです。 

■資産運用会社にするデメリット

 (1)赤字でも税金として市民税・都道府県民税の均等割は支払わなければならない。  市民税・都道府県民税の均等割の合計として、赤字でも約7万円の支払いが発生する。※均等割の金額は自治体によって異なります。

 (2)決算に伴う確定申告が煩雑になる。
 賃借対照表・損益計算書の作成は必要になってきます。

 (3)決算期末から確定申告までの期間が短くなる。
 個人は12月末から3月15日まで2カ月半ですが、法人場合は2カ月と2週間期間が短くなります。
 ※普段から領収書など整理をしておけば大丈夫です。

■夫婦で共同の資産運用会社で必要なこと

 (1)会社設立費用
 筆者は2005年9月に設立費用16万5,125円で当時の有限会社を設立しました。現在は株式会社ではありますが、商号は有限会社のままです。

 また現在は資本金が1円以上で会社設立が可能です。但し銀行口座や証券口座の開設時に断れることがあるので、ある程度は資本金が必要です。現金で納めた資本金は銀行口座開設が完了すれば、すぐに運転資金として動かすことが可能となります。

 (2)夫婦を役員にする
 代表者は妻にします。出資した運用金額に応じて株式の持分比率を話し合いましょう。夫の立場ですが、従業員では取締役会で決定されるような重要事項に夫の意思が入れられなくなってしまいます。単なる株主では、資産運用責任者に就任する根拠がなくなります。

 (3)夫への役員報酬はゼロ円とする
 役員報酬を出すと年収に加算されて社会保険料などが発生しますし、夫の勤める会社での就業規則に副業禁止があれば抵触する可能性もあります。役員報酬ゼロであれば社会保険料は発生しませんし、雇用契約がないのと同じ扱いなのため副業にはあたりません。

 (4)現金を引き出したい時
 現金を引き出す必要が生じた場合には配当を実施します。株主が夫と妻の2人だけであればいつでも株主総会を開催出来ます。定款で定めれば取締役会の議決でも配当を決定することが出来ます。いずれにしても夫婦だけでいつでも意思決定が可能なので、配当が実施出来ます。 

■夫婦間での運用資産管理

 夫婦の運用資産を別々に管理したい場合には、別々の会社による法人名義で口座を開設すればいいです。A口座で夫の資産運用をする場合は運用責任者を夫、B口座で夫の資産運用をする場合は運用責任者を妻にする。開設する口座の数に制限はありません。  

■法人化を検討する条件

 (1)個人での資産運用に課税される金額が、20%課税されると仮定すると、赤字でも支払わなければならない均等割の7万円をまかなえる年間35万円以上の投資収益があること。

 (2)サラリーマンをする会社の給与収入が500万円を超えてくると、所得税の税率20%である所得の330万円に乗ってくるので、給与収入が500万円以上。 ※家族構成などで検討する給与収入は変わります。

 (1)と(2)の条件に合致する人は資産運用会社設立をご検討下さい。

■まとめ:将来の独立・起業に向けて

 今回案内したのは、サラリーマンの妻が資産運用で収益を上げた時のケースです。サラリーマンが将来の独立・起業に向けて副業の収入が上がった場合も、妻を社長に会社を設立するのは有効な手段となりますので覚えておいて損はないはずです。

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