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米連邦最高裁、著作権侵害訴訟の提起には著作権登録の完了が必要と判断
米連邦最高裁は4日、著作権者が著作権侵害訴訟を提起するには著作権登録が完了している必要があるとの判断を示した(TorrentFreakの記事、裁判所文書: PDF)。
米国の著作権法では日本と同様に著作物が作られた時点で保護の対象になるが、著作権侵害を訴える場合は国外作品を除き、著作権局への登録または事前登録が必要だと411条(a)で規定されている。この「登録」の要件が著作権局への出願なのか、著作権局での登録処理完了なのかについて、過去の裁判では判断が分かれていた。なお、事前登録は映画や音楽のように公開前の著作権侵害の影響を大きく受ける著作物に認められるもので、簡素な審査で処理が完了する。ただし、最終的には正式な登録が必要となる。
今回の訴訟はオンラインニュースを配信するForth Estate Public BenefitがニュースサイトWall-Street.comを訴えていたものだ。Forth Estateは契約を解除した場合にはすべての記事を削除するという条件で記事を配信しているが、Wall-Street側は契約解除後もForth Estateの記事を掲載し続けていたという。Forth Estateは記事の著作権登録を出願していたが、著作権局での処理が完了していなかったことから連邦地裁は訴訟の要件を満たさないとして棄却した。連邦巡回区第11控訴裁判所も連邦地裁の判断を支持している。
そのため、Forth Estate側は著作権局への出願が「登録」の要件であると主張して上告した。長い時間がかかる著作権局の処理完了が要件だとすれば、著作権侵害の発生から3年以内に開始する必要があると定められている民事訴訟の機会を失うとも主張していた。
連邦最高裁では411条(a)に著作権局が登録を却下した場合にも著作権侵害訴訟の提起が可能であるとの文言もあることなどを指摘し、「登録」は著作権局への出願ではなく登録処理の完了が必要だとする1審・2審の判決を支持した。また、著作権局による登録処理時間が7か月にまで伸びていることを認めたうえで、訴訟提起には十分だと述べている。処理が長引く原因となっている著作権局の予算・人員不足は議会の対応が必要であり、裁判所ではどうにもならないとも述べている。
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