家具小売業界、全体売上は増加も二極化傾向に 帝国データバンク調査

2019年2月14日 14:40

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 帝国データバンクの調査によると、家具小売業全体の売上は伸びているものの、一部の大手企業に売上や収益が集まる傾向にあることが分かった。

■2017年度の売上高合計は約1兆2,297億円

 13日、帝国データバンクが「家具小売業者の経営実態調査」を発表した。これは家具小売を主業とする業者の中で、2017年度までの3期の売上が比較可能な2,210社の業績動向を集計・分析したもの。

 2015年度の売上高合計は1兆1,362億3,400万円、2016年度は前年度比4.1%増の1兆1,830億6,000万円、2017年度は同3.9%増の1兆2,297億500万円となり、順調に売上が伸びていることが分かる。

■売上1億円未満の企業が約6割

 売上規模が最も大きいのはニトリの約5,448億円、次いでイケア・ジャパン(約740億円)、東京インテリア家具(約487億円)、大塚家具(約410億円)、アクタス(169億円)などとなっている。

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 ただし、売上1億円未満の企業は1,363社(全体の61.67%)、1億円以上10億円未満が755社(同34.16%)となるように、10億円未満の企業は約95%を占めている。

■一部の大手企業に収益が集中する傾向

 売上高100億円以上となる8社の売上高合計は7,631億2,500万円と全体の62.1%を占めている。また、売上高10億円以上の企業92社のうち増収企業は45社となる一方、少なくとも23社が赤字とのこと。

 こうした傾向から「全体としては増収傾向にあるものの、売り上げを伸ばす企業とそうでない企業で2極化している」ことや、「投資余力のある大手とそれ以外の格差は広がっていく可能性」などを指摘している。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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