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働き方改革、6割の管理職が業務量増大 部下はこれを認識せず
日本能率協会が管理者のマネジメントの実態に関する調査を実施。働き方改革で仕事量が増えていると答えた管理者は61%。そう感じる部下は32%。上司と部下で認識のギャップが鮮明に。[写真拡大]
多くの企業が働き方改革に取り組んでいる。その目的の多くは労働時間の短縮にあるようだ。政府統計を見ると総実労働時間は長期的に減少傾向で推移している。総実労働時間では働き方改革の効果を識別できないが、いわゆる残業である所定外労働時間は景況によって増減の波が見られるものの2015年以降は減少傾向が見られ、この動きには働き方改革の影響が含まれているのかも知れない。
マクロ統計からは働き方改革による労働時間短縮の成果を判断することは難しいが実際のところどのようになっているのであろうか。この点に関し興味深いデータがある。日本能率協会マネジメントセンターが管理職444人、部下566人を対象に管理者のマネジメントの実態に関する調査を昨年9月に実施し、その集計結果の概要を先月下旬に公表している。
働き方改革に取り組む中で「部下の残業削減のために管理職の仕事量は増えているか」と管理職と部下の両方に尋ねた結果、管理職のうち「そう思う」と答えた者の割合は61.3%で6割強の管理職が働き方改革の取り組みで「仕事量が増えた」と認識しているようだ。一方、部下では「そう思う」と答えた者の割合は31.8%、「そう思わない」が68.2%で7割近い部下は上司の仕事が増えたとは認識しておらず、管理職と部下では管理職の仕事量の変化について大きな認識のギャップが存在しているようだ。
レポートでは働き方改革の中で管理職が業務効率化の工夫をしていると評価している。しかし一方で、管理職と部下で認識のギャップが大きい項目が少なからず存在している。最もギャップが大きかったのは管理職が「メンバーから学ぼうとする姿勢を持っているか」で、「そう思う」と答えた割合は管理職で80.6%であったのに対して部下では46.5%と34.1%ものギャップが見られた。
レポートでは部下が管理者に最も求めていることは「相談しやすい雰囲気づくり」であるとして「管理者は部下が本音を話せるような働きかけが求められる」、「ティーチングやコーチングなどの育成支援に加え、雑談なども意識し、信頼関係を築くことが重要」であると指摘している。
働き方改革を進める中でしわ寄せが管理職に集まるようでは単に問題が見えにくくなっているだけで実質的な成果が出ているとは言えない。職場のコミュニケーションを円滑にしてメンバー全員で効率化を図って行くことが重要なようだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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