関連記事
パワーアシストスーツ市場、5年で4倍に 23年度には8千台規模へ
パワーアシストスーツ市場規模と予測。(日本能率協会総合研究所発表資料より)[写真拡大]
日本能率協会総合研究所(東京都港区)は5日、パワーアシストスーツ国内市場に関する市場規模調査の予想結果を発表した。2018年度は2,000台ほどの需要が見込まれる一方、2023年度にはさらに需要が伸びて8,000台まで市場規模が伸びるとの予想となった。
【こちらも】業務・サービスロボットの世界市場は急成長へ、ドローンなどの需要急増
パワーアシストスーツは作業者や体の動きが困難な人向けに作られた商品。2014年ごろから販売が開始された。高齢者や障害者向けに作られた「自立支援型」と、介護や倉庫などでの運搬作業を補助する「作業支援型」に分かれている。共に高齢化やそれに伴う介護の省力化、あるいは倉庫作業での省人化に向けてニーズが高まっている。
2016年度に、介護ロボットの導入を助成する厚生労働省の支援事業が実施されたことにより、パワーアシストスーツを購入する介護・福祉施設が増えた。しかし中には100万円を超える商品も少なくなく、これまではなかなか販売台数が伸びなかった。
だが2018年の後半に入ってから数万円で購入できる商品が現れ始め、今後はそれに伴い販売台数が急増するものと見込まれている。
パワーアシストスーツに対する市場の視線は熱いものがあり、1月16~18日には東京ビッグサイトにて「ウェアラブルEXPO」が行われ多くのパワーアシストスーツが展示された。ジェイテクトが発表した「J-PAS」はランドセルのように装置を背負うタイプで、曲げた腰やひざを戻すときにモーターが作動。重い物でもわずかな力で動かすことが可能だ。
ドイツ企業の German Bionicが開発した「Cray X」は平常時の姿勢を記憶し、作業をアシストしつつも直立時や歩行時には作動せず作業の妨げにならないように工夫して作られている。パワーアシストスーツは充電式のものが多いが、この商品は動作時間が8時間となっており丸一日での作業にも耐えられる仕様となっている。
高齢化はもとより、労働力不足による課題は産業界にとって喫緊のものだ。パワーアシストスーツが安価で使いやすいものになれば、省人化へ向けた大きな助けとなるだろう。(記事:藤原大佑 ・記事一覧を見る)
スポンサードリンク