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メンタルヘルスサービス拡大、ストレスチェック義務化や健康経営を背景に
ヘルステック・健康ソリューション関連国内市場(画像: 富士経済発表資料より)[写真拡大]
富士経済は5日、企業における働き方改革や健康意識を背景に高まりを見せるヘルステック・健康ソリューション関連国内市場の調査結果を発表した。
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18年は前年比9.4%増の2,248億円を見込む。政府主導の働き方改革や健康経営の推進、ストレスチェックの義務化など、従業員への健康意識の高まりを背景に市場は拡大を続けているという。
市場を牽引しているのは健康経営サービス。なかでも「福利厚生代行サービス」は人材難や離職率低下の手段として活用する企業が増加。政府によるストレスチェック義務化により「メンタルヘルスサービス」も伸長しているという。
注目市場としては以下の3つを挙げている。
■メンタルヘルスサービス
22年予測は17年比41.9%増の176億円。厚生労働省によるストレスチェック義務化を背景に大幅に伸長。導入企業が引き続きシステムを活用しているため、サービス利用料が順調に収益を上げているという。人手不足によるアウトソーシング活用も活発なことから、今後も積極的に導入する企業が増加するとしている。
また、メンタル不調者の発見やカウンセリング、オンライン学習などを提供するEAP(従業員支援)サービスも拡大。ストレスチェック義務化を背景にメンタルヘルスサービスの裾野は今後も大きく広がる傾向にあるという。
■DTC遺伝子検査サービス
22年予測は17年比22.0%増の50億円。唾液や口腔粘膜などを採取する遺伝子解析キットを活用したサービスを対象にしている。疾病リスクや体質特性など、検査項目の多いフルパッケージ版を活用する個人を中心に市場は堅調に拡大。
参入企業は増加傾向にあるが差別化の難しさや信頼性、コスト面などを背景に利用者が特定の企業に集中する傾向にあるという。
■睡眠改善サービス
22年予測は17年比20倍の20億円。近年は「睡眠負債」という言葉が流行語にノミネートされるなど睡眠改善への意識が高まっている。ITを活用した企業の参入が相次いでおり、睡眠状況の計測や改善を促す機器やサービスが充実していくという。
ヘルステックは高齢者や介護難民の急増が叫ばれる「2025年問題」の解決手段としても、大きな拡大が期待されている。異業種企業やベンチャーの参戦も相次いでいることから、市場の動きには今後も注目していきたい。
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