日本電産、東海カーボ、カブコムなど/本日の注目個別銘柄

2019年1月24日 16:17

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記事提供元:フィスコ


<6594> 日本電産 12350 +135反発。前日に第3四半期決算を発表、営業利益は311億円で前年同期比30.1%減益、上半期までは2ケタ増が続いたが、一転して2ケタ減となった。中国企業の在庫圧縮が幅広い製品で強まっているもよう。115億円の構造改革費用も含まれている。ただ、先の下方修正によって足元の収益環境悪化は織り込み済み、今後の自助努力による収益改善を期待する動きが優勢に。500億円を上限とする自社株買いの実施も発表へ。

<6999> KOA 1412 +85急反発。前日に第3四半期(累計)の業績予想上方修正を発表している。営業利益は従来予想の40.90億円から43.93億円に増額。国内の自動車向け抵抗器の販売数量好調、為替レートの想定比円安推移などが業績上振れの背景となったもよう。ハイテク各社は総じて足元の収益悪化懸念が強いなか、上方修正がストレートにポジティブ視される形に。なお、決算発表は明日を予定している。

<6058> ベクトル 1301 -52大幅続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「オーバーウェイト」から「ニュートラル」に、目標株価も3500円から1400円に引き下げた。高成長企業としての期待に対して、中期利益目標の先延ばしは市場の信頼低下につながるとして、バリュエーションを引き下げている。営業効率の低下を要因に、19年2月期から23年2月期までの営業増益の年率平均は従来予想の20.5%増から15.8%増に修正。

<5358> イソライト工業 605 +86急伸。一部のメディアでは、長期的に株価上昇が期待できる成長株として取り上げられており、短期資金を中心に評価の高まる展開となっているもよう。焼成炉向け断熱材が規制の影響によってRCFからAESにシフト、同社はAESでトップシェアを誇っており、収益性の改善が図られているとされている。増配基調やPER水準の割安感なども指摘しているようだ。

<2664> カワチ薬品 2050 +168急反発。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は34.6億円で前年同期比9.8%減益、既存店売上高の低迷によって減収減益となった。ただ、上半期実績は25.2億円で同18.9%の減益であったため、10-12月期は3割近い増益に転じている。通期計画の42億円、前期比8.2%減益に対する過度な下振れ懸念などは後退する形にもなっているようだ。

<3469> デュアルタップ 1024 +150ストップ高比例配分。1月8日、クラウドボートとの業務提携により1円から投資を行える不動産ファンド「Funds」の提供を開始すると発表、その後株価は急伸する展開となっていた。前日には、その「Funds」の1号案件である「大田区 XEBECファンド#1」の募集を開始して、募集金額2620万円が54秒で満額申し込みを達成している。今後の顧客数の拡大期待などがあらためて高まる状況になっている。

<8703> カブコム 462 +80後場から取引再開、買い気配スタートに。KDDI<9433>が同社に出資する方向で調整に入ったと伝わり、前場は真偽確認のため取引停止となった。報道では、出資額は最大1000億円規模に達する可能性があり、出資比率は5割弱になる見通しという。TOBを実施するとされており、大きなプレミアムの付与期待が先行したようだ。なお、KDDIでは、さまざまな可能性を検討しているが決まった事柄はないと発表。

<5301> 東海カーボ 1499 +33続伸。19年12月期営業利益は1000億円弱となり、前期推定値比で約3割増加しそうだとの観測報道が伝わっている。黒鉛電極の値上げ浸透による利益率向上のほか、昨年傘下に収めた米国や韓国の子会社も通年で貢献することになるようだ。2月12日の決算発表に向けたガイダンスリスクの低下へとつながっている。なお、18年12月期営業利益は前期比6.8倍の750億円と、従来計画並みになったもよう。

<7731> ニコン 1828 +115急伸。蘭のASML、独のZeissと、露光装置およびデジタルカメラの特許に対する全ての訴訟手続の包括的和解に関して基本合意覚書を締結したと発表。基本合意覚書の条件には、ASML、Zeissから総額150百万ユーロの支払いが含まれるなど、実質同社勝訴という形になり、リスク要因の後退としてポジティブに捉えられている。また、ASMLや米TIなど決算発表後の株価の底堅い動きなども追い風に。

<4587> PD 4560 +315急伸。前日、塩野義<4507>との間で、脳移行性を向上させるカーゴペプチドを含む、複数のペプチド−薬物複合体創製に関する包括的な共同研究契約を締結したと発表。この研究では、血液脳関門を通過する脳送達技術プラットフォームを構築し、脳を標的とした創薬の新たなアプローチの確立を目指す方針。契約締結によって、同社は塩野義から契約一時金を受領するほか、今後はマイルストンやロイヤリティが得られることに。《US》

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